動物の面
世界の仮面の大半は、ヒトの面です。日本の古面の中でも、動物のものはかなり少ない。
動物面で有名なのは、狂言で用いられる狐面や猿面ですが、一般の能面に較べれば、元々マイナーで数が少ない。昨今流行の能面教室で教えてもらえることはまずないでしょう。
これまでの私の骨董屋さんめぐりでも、動物面には出会えませんでした。ここにアップした動物面は、すべてネットオークションでゲットした物です。
一般の古面のなかに動物面が入ると、独特の雰囲気がでてきますね。夜更けに彼らと向きあっていると、人間の俗世界から異次元の世界(たぶん、こちらの方がマシ)に迷い込んだような気になります。
①動物面、キツネ or ネズミ
キツネにもネズミにも見える面ですが、きっちりと彩色されていて、表情が実にリアルです。眉とヒゲも立派にのびています。たぶん、狂言面でしょう。
②動物面、サル(キツネ?獅子?)
表面には、胡粉が塗られています。キツネ、サルそれとも、獅子?下顎が動くようになっています。村祭りか神楽で使用されたものでしょう。
③動物面、サル
サルの面だと思います。アフリカの品のようにも見えますが、木質や彩色、裏の彫り方からして、日本の面と判断しました。
④動物面、サル or 一角獣
人とも動物ともつかない奇妙な面です。オークションでは、アフリカのサル面として出品されたのですが、一角獣にも見えます。もの淋しげな表情は、むしろ日本的ではないでしょうか。
⑤動物面、キツネ?
縦28cm
キツネ面としましたが、空想の獣かもしれません。生々しい表情です。