遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

西洋銅版画

2019年01月07日 | 絵画
西洋銅版画

 古面のお話はまだまだ続くのですが、オドロオドロシイ画面のオンパレードでは、ウンザリする人も多いでしょう、特に女性は。

 もともと、男性と女性では、古物に対する考え方が大きく違います。
 男は基本的に見栄、よく言えば他人とは異なる自分の世界をもつことが蒐集の原動力です。しかし、女性にとってそんな品物に大枚をつぎ込むのは愚の骨頂。どうせお金をはらうのなら何かの役に立たないと、ということになります。とびっきり、美意識をくすぐる品は別のようですが。

 いずれにしても、遅生老人のまわりにころがっている膨大な品々は、女性にとってドウショーモナイものばかりです。
 これまで、故玩館を訪れた女性で、古面に興味を示したのは2人だけ。一人は神楽マニア、もう一人は祭りの研究者。

 しかし、世の中の半数は女性。無視したり、敵にまわすのは得策ではありません。特に、一見何気ないふうを装いながら、遅生老人をしっかりと監視していらっしゃるつれ合いには気をつかわねば、居場所をなくしかねません(笑)。
 
 ということで、何とも得体の知れない品々の中に、おやっと思うような物がいくつあります。購入時には、特に、女性を意識したわけではないのですが、そんな品も骨董迷い道の途中で、いくつかひろい集めてきましたので、気が向いたら紹介していきます。

 前置きが長くなりましたが、今回は、西洋版画です。ヨーロッパやアメリカのちょっと気の利いたホテルの部屋には、こういった銅版画がかかっています。また、たいていの骨董屋にも、どっさりと置いてあります。写真が普及する以前は、書物の図版もほとんどが銅版画でしたから、膨大な量の品が刷られていたことになります。

 値段もそこそこなのでよりどりみどりです。気に入った図柄の品を探すのが楽しい(世界に通用する駒井哲朗や長谷川潔の作品なら、人に見せびらかして自慢できますが、財布がとても許さない!)。そして、自分で飾って満足すれば、それなりに実用的ではありませんか。なによりも、女性に、いやな顔をされません。

 次の2枚の銅版画は、30年ほど前、アメリカ、フィラデルフィア郊外の教会のチャリティオークションで得た品です。2枚で、150ドルくらいでした。彩色が丁寧で、女性も品が良い。
 ということで、私の机の両横の壁に、一枚ずつ掛けました。以来、何十年間、この二人にじっと見つめられて過ごしてきた訳です・・・・こちらは、年々老いていくけれども、彼女たちはいつまでも若い!



 



 両横から2人の麗しい女性に見もまもられながら、正面には、この細長い銅版画を飾りました。アールヌーボーからアールデコへ移る頃の品でしょうか。この手の物は少ないです。上の二つと同じ頃に、ニューヨークの骨董屋で100ドルで入手。





 このように西欧ではポピュラーな銅版画ですが、日本ではなじみが薄いし、人気もありません。ですから、ネットオークションではいつも入札無しで流れてしまいます。開始価格で落札できる可能性が高いですから、ちょっとしたインテリアを求めるにはうってつけです。次の銅版画はそのような品の一つです。







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