遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

隻眼の面は聖者

2019年01月12日 | 古面
隻眼の面は聖者



 この面は、私がもっている面のうちで、一番奇妙なシロモノです。右目がつぶれている。
 誰が、何のために作り、どこに保管されていたのでしょうか。

 紐穴があいているので、実際に顔に付けて使われていた物でしょう。胡粉はまだ大分残っています。形や大きさからして、祭礼で使われた可能性が高い。
 他の祭礼の面(先回の面)と較べてみると、その特異さがきわだちます。

 何かで読んだ記憶がかすかにあります。中世の日本では、障害をもった人間は異能者であり、時には、聖者として敬われていたと。
 朝鮮半島にも、そのような面を祀る風習があったそうです。
 実は、私も隻眼。だから、この面には思い入れがつよい。けれども、聖者には遠くおよびません。
 




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