遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

仙台埋木細工の盆

2019年12月13日 | 漆器・木製品

仙台埋木細工の盆です。

小さめの盆で、煎茶盆か香盆でしょう。

松島の風景が彫られていて、やはり松島土産として売られていた品です。

               14cm x 21cm x 1.4cm

裏側を見る限り、圧縮度はそれほどではありませんが、先回の埋木菓子皿よりは手取りも重いです。

 

あまりに見事な黒色なので、黒漆を塗ってあるのかと思いましたが、彫り跡や疵の割れを見ても、やはり黒色です。

光の当たる角度を変えてみました。

 

直射日光をあてると・・・

いずれも、わずかですが木理が浮かび上がり、埋木であることがわかります。

このように炭化がすすんだ埋木細工もあるのですね。売られていた当時の価格も、この方が高いのでしょうか。

象牙でもそうですが、生き物は年々の成長が肌理となって残ります。木の場合は特に顕著です。ですから、非常に上等な塗りの漆器でも、よく観察すれば、浮き出た木目が必ず見られます。

最近はプラスチックの漆器でよくできた品がありますが、このようにすれば、本物の漆器とみわけられます。

 

もう一つは、やや大型の盆です。

          21.1cm x 27.6cm x 2cm

 

 

木目を強調した吹き漆処理がなされています。

 

裏側は簡単に削ってあります。

 

大きいこともあって、手取りもズシリと重いです。

この盆は、一見、唐木盆のように思えます。重さも似ています。しかし、圧縮炭化による肌理のち密さはやはり埋木ならではです。また、唐木では木目をこのように強調することはありません。

実は以前、この盆とほとんど同じ造りで一回り大きな品を見たことがあります。ボール紙の化粧箱に入っていました。表には、「仙台埋木細工  〇〇商店 明治36年」とありました。

年代のわかる埋木細工は希少です。

買っておくべきでした。

でも、同じ物が増えるとまた、また、ネチネチと言われるし(^^;)

 

 

コメント (6)
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