遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

南京赤絵蓮池鴛鴦紋中皿(5枚)

2022年10月26日 | 古陶磁ー中国

Dr.Kさんの先日のブログで、南京赤絵ではないかとされる花瓶が紹介されていました。

南京赤絵!そういえば、故玩館にもしまいっ放しの物があったはず・・・例によってゴソゴソさがし回り、見つけ出したのが今回の品です。

 

南京赤絵の中皿です。

5枚揃い、内一枚の縁に金継ぎ補修があります。

径 15.2㎝、高台径 8.1㎝、高 3.2㎝。中国明末ー清初。

日本の皿よりも、一段、薄い造りです。良く焼き締まっていて、爪で弾くと、カン高い金属音がします。

また、皿の底は、放射状に削られています。

 

品物の縁には、明末の中国陶磁器の特徴である虫食い(釉薬剝がれ)が、全部の皿で見られます。

南京赤絵の魅力は、何といっても奔放な絵付けです。

蓮池に鴛鴦、これは中国陶磁器では人気の図柄です。

たいていは、二匹の鴛鴦が前後して、仲睦まじく泳いでいるのですが、この品の場合は・・・

呼び合っているような・・・・親子かな?

蓮の花も、どこかマンガチックで、見ていると頬が緩みます(^.^)

今回の品物、縁の虫食いを除けば、疵が全くありません。表面の細かい擦り傷も皆無です。

上絵付けの赤釉は、非常に脆いので、古陶磁の赤釉部分には、微細な傷や擦れがあるのが自然だ、と先のブログで書きました。

 

しかし、今回の品は、顕微拡大しても、非常に綺麗な状態に見えます。小傷が無いのは、赤釉の成分が日本の赤絵とは違う?それとも、焼成法の差?

南京赤絵は、そのくだけた佇まいが茶人などに評価され、珍重されました。この品も、日本に渡ってから、よほど大切にされてきたのでしょう

せっかくですから、故玩館のガラスケースに移して、陽の目を見させてあげるのが良いかと(^.^)


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2 コメント

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遅生さんへ (Dr.K)
2022-10-26 12:03:09
やはり、南京赤絵は、故玩館にもありましたか!
しかも、5枚揃いで!

上絵付けの赤釉部分に擦れ傷などが無いのは、よほど大切にされてきたのでしょうね(^_^)
たまに、茶会の時などにのみ、大切に使われたのでしょうか。

「故玩館のガラスケースに移して、陽の目を見させてあげる」るべきものですね(^-^*)
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Dr.kさんへ (遅生)
2022-10-26 13:30:46
こういう類の品を一度は通過しないと、次へは行けません(^^; 私も、伊万里の赤絵との関係で興味をもち、2,3触手を伸ばしました(^.^)
南京赤絵には、古染付と同じように、日本の茶人の意向が入っていると思うのです。が、その後の伊万里をみると、早い段階で独自の赤絵をあみ出した様に思います。結果としては、茶人に熱狂的に迎えられるということはなかった。伊万里は、やはり、広く使われる器をめざしたのですね。
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