日本画家、長谷川朝風のはがき絵です。
はがきに描かれた小さな絵です。
俳句が添えられています。
はがき裏面に絵と俳句。昭和34年。
長谷川朝風(はせがわちょうふう、明治三四(1901)年ー昭和五二(1977)年):岐阜県生れ。日本画家。名は慎一。安田靱彦に師事。院展を中心に活躍。俳人としても知られる。
壺屋焼で知られる沖縄壺屋の風景が、さらりと描かれています。
俳句が添えられています。
「鵜篝の 遠見を過ぐる 真の闇」
「河鹿鳴く 闇を涼しと わかれけり」
旅先からの便りかと思いましたが、違うようです。
岐阜市の知人に宛てたお礼のはがきですね。
当時、東京で活動していた長谷川朝風が、昭和34年6月に出したものです。故郷の鵜飼を懐かしんで句を詠んだのでしょう。壺屋との関係はわかりません。
はがき絵といえば、竹久夢二が有名です。骨董市には贋物があふれています。古いはがきに、少し絵心のある者が描いたのでしょう。驚くことに、昭和初期の消印のある切手が貼ってあったりします。ジャの道はヘビですね(^^;
そんなビッグネームに騙されるよりも、贋物を作っても割が合わない中堅画家の小品を飾る方が賢いかと(^.^)
多分、家族が他の品と一緒に処分したのでしょう。
私が入手した品のいくつかは、そんな因縁がついた品です(^^;
明日は我が身か、の心境です(^^;
ちょっと計算してみたのですが、長谷川朝風が68歳の時に出したハガキなんですね。
もう相当に有名になっていて忙しかったなか、わざわざ直筆で絵を描き、それに俳句まで添えて出しているのですから、かなり親しい方に、相当に良い物をいただいたお礼のハガキなのでしょうね(^-^*)
小品ながら、心のこもった内容のあるハガキ絵ですね(^-^*)
もしも、サッと絵が(字も)かけたら、人生は変わっていたでしょうね(大げさ(^^;)
かわりに物を集め始めた次第です(^.^)
しかしそれも、先立つもののがしれているので、情けない限りです(^.^)
味わいのある絵ですね!
私もコレクターとては、贋作かどうか分からない大作家のものよりはこう言った真作に惹かれるところ共感です。(^^)
今は手紙は年賀状くらいでまあ書くことはなくなりました。電子は便利ですけどこの作品のような趣きのある文化が廃れるのも勿体無いですね。
この品は、絵と俳句は直接の関係はないらしいですが、それでも、片方だけより、ありがたみがましますね(^.^)
もともと俳句には俳画がセットの場合が多いです。
一句詠んで、さらりと絵を付け加えたら、かっこいいですね。尤も、絵も俳句も嗜まない人間には無縁です。せめて、蒐集ぐらいなら・・・江戸の俳諧については、またシリーズでブログアップします。
いま流行りの絵手紙のようなハガキから食み出すような大きな絵は描かれていませんが、ハガキに絵を描いて俳句を添える趣向はハガキにはマッチしていますね。
こうして作品として残しても場所をとりません。
ハガキも高騰した折、こういう使い方なら十分に元が取れるような気がします。
これからの郵便はこういうことに活用すれば生き残れるかなと思わせていただきました。