遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

犬山焼馬上盃3種

2021年12月27日 | 古陶磁ー国焼

先回のブログで、犬山焼の呉須赤絵写し馬上盃を紹介しましたが、他にも2個、馬上盃が出てきました。

陶胎染付鹿紋馬上盃:

口径 6.8㎝、底径 5.6㎝、高 8.1㎝。明治―大正。

陶器の器体に、呉須で鹿が2匹描かれています。犬山焼らしい品物です。

底には、「犬山」の印が押されています。先回の品のように、手書きの「犬山」銘もありますが、このような印銘が圧倒的に多いです。

さらに、もう一つの馬上盃です。

赤絵龍紋馬上盃:

口径 5.3cm、底径 3.8㎝、高 7.1㎝。明治―大正。

薄造りで、生地は白い陶土です。上釉の上に、赤色で龍が描かれています。下部には、緑釉が効果的に使われています。赤絵付けや緑釉は、犬山焼よりも、万古焼系統の焼物を思わせますが、この品はやはり犬山焼です。

左、陶胎染付、中、色絵龍紋、右、呉須赤絵写し。

左と中の馬上盃には、無釉の底にぺったりと釉薬が置かれています。このような知らせ釉は、犬山焼の特徴です。ですから、底に印などはありませんが、この赤絵龍紋馬上盃は犬山焼であるといえます。

3種の犬山焼馬上盃が揃いました。

正月にどれをチョイスするか迷いますが、やはり呉須赤絵写しの馬上盃でしょうか。その理由は、一番小さいから(^.^)


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
赤絵が (美恵子)
2021-12-27 13:12:56
焼き物すきです。
赤絵が一番ググッときました。
私も、この形の萩焼を持っていますが、馬上杯というのだと初めて知りました。
おりこうになりましたよ、ありがとうございます。
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美恵子さんへ (遅生)
2021-12-27 15:10:38
萩焼をお持ちですか、いいですね。
萩焼は、使えば使うほど味が出てくる焼物です。酒やお茶をたくさんあげてください。見違えるほど変身します。

馬上盃は、元々、馬にのって酒を飲むのに具合のよい形に作られたと言われています。やはり、酒を誘いますね(^.^)
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遅生さんへ (Dr.K)
2021-12-27 16:32:53
犬山焼馬上杯の三役揃い踏みというところですね(^-^*)

犬山焼には、無釉の底にぺったりと釉薬が置かれているのですか。それを、「知らせ釉」というのですね。
それを知っていれば、犬山焼かどうかに迷った際、大変参考になりますね(^_^)

お正月には、日替わりで、全部使ってやってください(^-^*)
入れるお酒の量は、大きさに反比例させればいいですから(^_^)
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Dr.kさんへ (遅生)
2021-12-27 17:48:43
「知らせ釉」とは、私の造語です(^^;
古い鼓の胴の内部には、職人が鑿で彫った時にできる鉋目があるのですが、それぞれ独自の目をのこして、自分を主張したのです。これを、「知らせ鉋」と呼んでいます。それになぞらえて、新語を作りました(^.^)
犬山焼にはこれが多いです。先回の呉須赤絵写のような品は少ないです。そのかわり、堂々と、文字で「犬山」と主張してます(^.^)
正月は、梅酒かお屠蘇でお茶を濁していたのですが、最近はもっぱら葡萄汁です(^.^)
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