古九谷青磁陽刻牡丹紋長皿、5枚です。
古九谷とはいいますが、有田でつくられた伊万里焼です。1650~1670年代、初期伊万里が終わる頃の作です。
8.2-8.8 cmⅹ17.8-18.4 cm、高 2.2-2.7 ㎝
おもての面は、ほぼ無疵です。
裏面です。
高台 5.1-5.4 cmx13.9-14.4 ㎝
2個の高台に欠けがあります。
すべての高台に薄く錆色、というより緋色が出ています。
陽刻で、周縁に雷紋、見込みに牡丹の花と葉が浮き出ています。
降りものも多くあります。
器体はゆがんでいます。高台にもゆがみがあります。
陽刻模様を生かすためか、青磁釉は薄くかけられています。
残りの4枚。
この青磁牡丹長皿は、伊万里青磁では代表的な物の一つです。
模様はほどんど同じで、同一の型から造られたとおもわれます。
しかし、製品のばらつきが大きく、今回の長皿も、5枚とも器形が微妙に違います。
その理由はゆがみです。
器体が大きく歪んでいます。高台の歪みもあります。
このような歪みや降りものは製品としては難点ですが、器全体として見ると、なんとも言えない味わいがあります。武骨な造りも含め、古拙の味とでも言えるでしょうか。
この長皿の大きな特徴は、器体に比べて、ゴツイ作りの高台です。しかもやや内向き。この様な器は、その昔、「九谷の古い手」と呼ばれていました。
本来なら、早い時期の古伊万里青磁と言うべきでしょうが、古拙な味わいをもった武骨なこの長皿を、あえて、古九谷青磁牡丹紋長皿と呼びたいと思います(^.^)
私は、伊万里の青磁では、このような古拙な味わいをもった武骨なものが好きです(^-^;
中期以降は、青磁の特色も古伊万里の良さもあまり生かされないものになってしまいました。
中途半端な私としては、伊万里青磁よお前もかと、つぶやくばかり(^^;)
歪みも、味わい深く感じます^^
陽刻の鋭さが古九谷様式の特徴ですが、発色も含めまさに約束通りの素晴らしい品です。
歪みが見れれるのは古手の証拠だと思いますので、そういった部分も含めて愛おしい品ではないでしょうか。(ワタシも1枚は欲しい・・・)
でも、鮎では面白みがないです。
つばめさんの料理なら、映えますよ。
これなら、魯山人の美食倶楽部に対抗できます(^_^)
アバタがだんだんエクボに見えてくるから不思議です。
この皿、そこそこ見かけるので、当時のベストセラーかもしれませんね。どんな人たちが、どんな料理に使っていたのでしょうね。
ちなみに、40cmオーバーの初期伊万里染付け大皿のうぶ出しに出くわしたことがあるのですが、魚の鱗が付いていました(^.^)