今回は、「イケナイ物にも胴継ぎ?」の品です。
以前に、法花三彩樹下人物紋瓶子を紹介しました。法花とは、中国明、清時代に造られた特殊な色絵陶磁器で、器の表面にイッチンで縁取りをして模様を描き、三彩釉薬を差して焼成した物です。
今回も、その技法を使った大壷です。
胴径(最大) 40.7㎝、口径 21.0㎝、底径 25.4㎝、高 35.9㎝。重 7.8㎏。
この品の本歌は、東博にあります。
高30.8cm、口径17.8㎝、底径24.2㎝。明時代。江戸幕府重臣、青山家伝来。重要文化財。
今回の品は、東博の法花三彩壷の写しです。一回り大きいです。
青、紫、黄(茶)、白釉をつかって、
騎馬人物と、
二人の唐子が表されています。
反対側も似たデザインですが、人物や周りの模様が若干異なっています。
騎馬人物と、
二人の唐子。
以前に紹介した法花三彩樹下人物紋瓶子に較べると、色釉に深みがありません。もちろん、オーラを感じ取ることはできません。
ただ、全体に色調は落ちつき、近年のコピー品に見られる、妙なテカリはありません。
少しは時代を経ているのでしょうか。
内側を覗くと、胴継ぎの痕がクッキリと見えます。写真では上部に見えますが、器の中央部です。
ものの本には、「中国の古い陶磁器は胴継ぎで・・・」とあります。確かに、中国の古い壷や花瓶は、上下のパーツを貼り合わせて作られています。しかし、この技法がいつ頃まで行われていたかについては、はっきりしません。ひょっとしたら、今も一般的なやり方なのかも知れません。
それがわかれば、今回の品の評価も定まり、もやもやが晴れてスッキリするはず(^.^)
写しとはいえ、堂々たるものですね!
大きさも、高さが35.9㎝もあるのですか!
こんなに大きな物になると、現在、日本で作る場合でも、一気に轆轤で引き上げたり、一気に紐作りするのが無理なので、胴継ぎして作るのかもしれませんね。
そうなると、中国で作る場合も同じで、このくらいの大きさになりますと、胴継ぎして作るのかもしれませんね。
作陶をしていませんので、本当のことは分りません(><) これは、私の独断と偏見による見解です(~_~;)
写真を撮ったら、すぐに片付けないと文句が出そうです(^^;
中国の現代物を持っていないし、作陶現場を見たこともありません。実際のところはどうなんでしょうね。
今度、骨董市へ行ったら、中国新物ばかり並べている店をチェックしてみます(^^;
実はこの品は、素晴らしい杉の木箱に入っていて、蓋を開けると杉の香りが辺り一面に充満します。この箱は高いだろうと思います(^^;
ps.以前紹介した法花樹下人物紋瓶子も、素晴らしい杉の木箱に入っていました。こういう品は、桐箱ではなく杉箱に入れるものなのでしょうか。
屋久杉で作られたような、素晴らしい杢目のもので作られていましたよね。
日本の場合は、古い箱は、桐箱は少なく、杉材などが使われていますよね。それも、粗末な材料で、、。
もっとも、私の体験では、茶道具などではない、伊万里などの当時としては低級な食器の収蔵用に使用されていた箱しか見ていないからですが、、、。
不勉強で、体験の少ない私にはわかりません(~_~;)
もっとも、高級品に接したことがないので、本当のところはわかりませんが(^^;
コレクターで、箱や品物に年号があるものだけを集めている人がいます。
箱だけ、ずらっと年代順に並べてみるのも面白いですね。