遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

ありました、琴高仙人小皿

2020年07月21日 | 古陶磁ー大皿・大鉢・壷

琴高仙人が描かれた小皿、5枚です。

以前、伊万里琴高仙人図大皿琴高仙人銅花瓶狩野幸信筆 『琴高仙人図』を紹介しました。

その時、確か琴高仙人図の小皿があったはず、とあちこち探しましたが、ヨウとして行方が知れず、小皿のブログアップは諦めていました。

それが、とんでもない所にあったのです。

故玩館の棚ではなく、毎日使っている食卓の後ろの食器棚の隅に、他の小皿と重なって置かれていました。わからないはずです。20年間、一度も使っていただいた事がないのです。まさに忘れられた小皿(^^;

 

径 10.0㎝、高 2.4㎝、高台径  5.2㎝。 昭和。

 

池袋の骨董モールで入手した小皿です。現代の作でしょう。

比較的ていねいに手描きされています。

 

真面目な琴高仙人に対して、大口をあけたひょうきんな鯉がおもしろい。

 

食器棚には他にもいくつか小皿があるのですが、その中でも、一番使用頻度が高いのが、この麦藁手小皿です。ほとんど毎回使います。

径11.5 ㎝、高 2.3㎝、高台径  5.8㎝。 大正。

 

琴高仙人小皿と同じ頃、能登輪島の骨董屋で買って帰った品です。亭主曰く、「茶人が大切にしていた品ですよ」。

で、家では、「あ、これはちょうどいいわ」ということで、毎日三回、食卓に登場するようになりました。

一回粗相をして小さく割れました=>金継ぎでOK

一週間前に、手を滑らして見事に粉々=>現在は4枚

賢明なブログ読者諸氏は、遅生が洗い物係であることにお気づきのことと思います(^^;)

ところが、琴高仙人小皿の方は、1回も使われていません。この差はどこから来るのでしょうか。

 

絵柄の好みを別にすれば、大きさの違いです。麦藁手皿の方が、1.5㎝大きいのです。わずかの差ですが、どうもこれが効いているようです。

また、琴高仙人小皿は、器形も少し湾曲が大きい。結果、おつまみをのせる豆皿のイメージになってしまうのです。で、アルコールに縁がない我が家では、出番がないことになります。

ところが、麦藁手皿の方は、食器皿の形を保ったままの小型皿なので、食事皿の一員として違和感がないようです。

ほんのわずかの差が、とても大きな待遇の違いになってしまうのですね(^^;

 

琴高仙人大皿も特に使い道はなく、ただデンとディスプレイされているだけです。

琴高仙人小皿がフットワークの軽さを生かして、食卓の上に並ぶ日は来るのでしょうか(^.^)

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絵瀬戸草花虫紋中皿

2020年07月19日 | 古陶磁ー大皿・大鉢・壷

草花虫紋が描かれた絵瀬戸中皿です。

 

径 21.7㎝、高 3.9㎝、高台径 11.5㎝。  江戸後期~明治。

器形は、先に紹介した絵瀬戸夕景帰帆図中皿とほぼ同じで、標準的な絵瀬戸皿です。

 

この皿の見どころは、何といっても絵柄でしょう。

奔放な絵付けは、初期伊万里皿を髣髴とさせます。

鉄釉ではなく、染め付けなら見分けがつかないほどです。

虫は、蝶かトンボか?

草花の種類もわかりません(^^;

 

 

絵瀬戸は、石皿や行燈皿に比べて、ガサガサした土と焼き上がりです。

その分、脆く、使用しているうちに満身創痍になります。

 

当り痕がすごいです。

日用雑器の宿命、それとも勲章か?

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やっぱり青枯病にやられました

2020年07月17日 | ものぐさ有機農業

7月8日のブログで、大雨で畑が冠水した記事を書きました。

こんな状態が半日続きました。

 

 

今は、何もなかったかのようです。

黒マルチが泥をかぶって、灰マルチになっているだけです(^^;

 

しかし、「冠水した野菜は青枯病になるのでは」の予想が、ピッタリ的中してしまいました。

青枯病予防として、一応、コンパニオンプランツのネギを植えてあるのですが、それ位ではおっつかないほど、土中で病原菌が繁殖したようです。

 

甘長シシトウです。

冠水後、4日目位から葉が萎れてきました。

次の朝はピンとなり、おお助かったか、と思うのは欲目。夕方にはもっと萎れます。このような事を日々繰り返して、今日で5日目、もう抜いてしまった方がいいでしょう。

 

同じく、万願寺唐辛子。

 

とんがり大ピーマンもこのありさま(^^;

 

キュウリです。

一見無事に見えますが、一本もなっていません。冠水まではそれこそ爆実り。毎日、朝夕、バケツに一杯ずつ、必死でさばくのが日課だったのですが、今は暇な事この上なし(^^;

 

中玉トマトも早めに抜きましょう。

 

気を取り直して、東端の瓜の周りをぐるっと囲みました。

ヌートリア避けです。夜間に出没しては、垂れさがった大ナスをカジッていきます。地の上の瓜などは、一晩でやられてしまいますから、やむなくこんな作業をしたのです。

青枯病で、畑は歯抜け状態です。枯れた野菜を抜いた後に同種の苗を植えても、すぐに青枯病が出ることは目に見えています。さて、何を育てるか、妙案がうかびません。

大水とヌートリア、今年は祟られっぱなしですね(^.^)

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江戸更紗に伊賀壺

2020年07月15日 | 古陶磁ー全般

コロナで来館者もなく、奥にしまってあった品物をあれこれ出してはニヤニヤしているうちに、館内は足の踏み場もなくなってしまいました(^^;

そこへ、某記念館の学芸員の人から突然、来館のTEL。あわてて一階だけでもと、片付けをして、一服したところです。

せっかくすっきりしたので、つかの間の美部屋(^^;)を記念にパチリとしました。

 

そんなわけで、今回は、いつものくどくどとした説明はありません。

 

 

 

 

                          江戸更紗(多分 ^^;)

 

 

       伊賀壺。 室町時代初期。

 

ps. やっと整理ができてやれやれと思っていたところへ、別の資料館からTel. 二階も片付けをしなければならなくなりました(^^;

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杜若蝙蝠紋行燈皿

2020年07月13日 | 古陶磁ー大皿・大鉢・壷

江戸後期、瀬戸で焼かれた行燈皿です。

   径 22.2㎝、高 1.3㎝。 江戸後期。

 

高台はありません。

裏面は全面施釉され、丸く釉剥ぎした所に、8つの目跡があります。

 

器形はフラットな円盤状です。

 

行燈皿は、行燈の灯火器から落ちる油を下で受ける皿です。

江戸時代には必需品でしたから、各地の窯で作られました。そのなかでも、瀬戸の行燈皿が最も多く使われました。

石皿、馬の目皿、絵瀬戸などの瀬戸の絵皿の中で、行燈皿は上手の造りです。素地も、他の皿に比べて磁器分が多く、硬い焼き上がりです。

 

今回の行燈皿の見どころは、やはり絵付けです。

 

杜若と

 

蝙蝠。

 

 

なかなか洒落た杜若です。

杜若と蝙蝠の取り合わせは珍しいです。何か謂われがあるのでしょうか?

考えられるのは吉祥模様です。杜若は、古来から縁起の良い植物とされてきました。また、蝙蝠は、中国の吉祥紋です。福の字に似ているからだそうです(^^;

この花、最初のブログでは『菖蒲蝙蝠紋行燈皿』のタイトルだったのですが、いずれがアヤメか杜若、と言われるように、私には両者の区別がつきません。ならば最初にうかんだ菖蒲で、と実にいい加減に決めたわけです(^^; ところが、その後、自閑さんから、水の流れからカキツバタではないか、との指摘をいただきました。確かにそうです。在原業平の八つ橋の杜若を思い出しました(実際の八つ橋は渦巻く流れではなく単なる池と小川(^^;)。

そんなわけで、今回のタイトルを、『杜若蝙蝠紋行燈皿』と訂正させていただきました(^.^)

 

もう一つの見どころは、経年の地肌です。

この薄黒い部分は、油のシミです。単なる汚れなのですが、細かい地カンニュウと組み合わさって、何ともいえない味が出ています。

 

先回紹介した絵瀬戸皿に比べ、行燈皿は人気があります。その理由は、やはり、長年の使用が作りだす味わいでしょう。茶道具と似ています。行燈皿は育つ日用雑器なのです。ただ、茶道具と違って、我々が使い込んで育てることはできません(^.^)

 

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