遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

竹花入れ④ ペアー掛花生け

2022年12月11日 | 花道具

今回の品は、先回の物とよく似ています。

やや湾曲した竹に捩じった窓がおおきく切られています。

後ろに孔がないので掛花入れではなく、このまま床において使う花器でしょう。

ところが、同じような造りで一回り大きな品がもう一個ありました。

大:高 38.0㎝、長径 7.8㎝、短径 7.4㎝。明治―大正。

小:高 30.6㎝、長径 7.6㎝、短径 7.1㎝。明治―大正。

どうして、同じような品が2個あるのでしょう?

捩じりの向きが反対なので、一対か?

凸凹コンビ?

親と子?

甘える子供?(^^;

とりあえず、小さい方へ椿を入れてみました。

ほう、なかなかのもの(^.^)

黒をバックにすると、なまめかしい雰囲気にも。

この二人は、

ヤングカップルかも知れませんね(^.^)

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竹花入③ 輪無二重切

2022年12月09日 | 花道具

先回、短冊掛け兼用の竹花器(短冊掛けが主)を紹介しました。

で、例によってゴソゴソしたところ、祖父の花道具類のなかに竹製の花器がまだいくつかあったので、順に紹介します。ただ、同じような品物でタイトルがつけ難いので、番号を振ることにしました。以前に紹介した巨大竹製花器を①、先回の品を②として、今回の花生けは③となります。

長 43.5㎝、長径 7.8㎝、短径 7.1㎝。明治ー大正。

やや湾曲した竹を使った花入れです。後ろに孔が開いているので、掛花入れですね。

掛花入れといえば、一重切花入れが有名です。今回の品は、窓が一つですから一重切れかと思ったのですが、上部が頭でっかちで節も抜けていません(利休形の場合、上部は輪状)。文字通りの一重切花入れとは異なるようです。

では、何と呼んだらいいのか?

わかりません(^^;

ま、お茶にもお花にも無縁の私ですから、硬いことを言わず、とりあえず花を入れてみました。越後美人さんのアドバイスにしたがって、椿です。

うーむ、なかなかいけるかも・・・・

でも、やはり、本来の掛け花として古民家の柱に掛けるのがおさまりが良いようです(^.^)

 

追記: 今回の品の名称がわからなかったのですが、越後美人さんから、「輪無二重切」と教えていただきました。「二重切」の上部の輪と柱を切り除いた姿の竹花入れで、小堀遠州の創作によるものだそうです。

 

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竹花入れ②竹製花生け兼短冊掛け

2022年12月07日 | 花道具

竹製の品物の紹介が続いているので、ついでにブログ在庫一掃を、と辺りを見回しました。すると、燈台下暗し、仏間の柱に長い竹が掛かっているではありませんか。あまりにも当り前なので、普段、その存在に気を留めたことがありません。こういう機会でもないと陽の目をみないのです(^^;

裏側。

長 100cm、径(最大) 8.5㎝。明治。

古竹の短冊掛けです。

裏側の穴に引っ掛けるようになっています。

 

表には、窓が上下、二つ開いています。

下側の窓。

銅の落しが入っています。どうやら花生けのようです。

上側の丸窓は装飾かと思いきや、

やはり銅の落しが入った花生けでした。

で、中央には短冊。

「いく山河 へしそ生れし 二方の えにしハ深し とはに幸あれ」

これは、叔母が、私たち二人に贈ってくれた歌でした(忘れかけていた(^^;)。

気がついてみれば、それからもう50年。

せっかくですから、花生け部に花を入れてみました(おそらく史上初(大げさ(^^;))

なかなかいけるではないですか。

ならば、上の方にも別の花を。

これで、叔母への感謝と供養にも(^.^)

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鉄筆彫文人図竹製筆筒

2022年12月05日 | 漆器・木製品

先回のブログで、竹製の盆を紹介しました。盆の表には、硬い竹を彫り込んで模様が施されていました。

ん!竹に細密彫り!? 例によって、どこかにあったかはずと、あちこちひっくり返して探し当てたのが今回の品です。

 

長径 5.4㎝、短径 4.1㎝、高 12.1㎝。明治―戦前。

竹製の筆筒です。漢詩と絵が彫られています。

 

文人が、怪石を見ながら文をしたためています。

上部には、小さな字で漢詩が彫られています。

文字の大きさは、横1.5㎜、縦2.0㎜ほどです。

拡大して見ると、鋭く彫られている事がわかります。筆がはねるところまで彫りで表されています。

文人の髪と耳。

髭と肩部。

微細でありながら鋭い彫りを、どうやって硬い竹に施すのでしょうか。

「月交閑人鉄筆」とあります。

このような彫りは、鉄筆彫とよばれ、篆刻用の小刀を用いて、竹や金属に細かな絵や文字を彫り込む技法です。九谷の細字陶磁器は有名ですが、今回の品は書いたのではなく彫ってあるので、極小文字を表すのはさらに難しいと思われます。

月交閑人なる人物の詳細は不明ですが、微細彫刻の技には驚かされます。

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竹製香盆

2022年12月03日 | 漆器・木製品

最近のブログでは、堅い陶磁器に続いて、柔らかい紙物、そして極軟(^^;)の好色本と来ましたので、ここらで少し話を中庸に戻し、木製品の紹介に移ります。

 

22.1cmx28.7㎝、高 2.2㎝、厚 3㎜。明治ー戦前。

竹製と思われる盆です。

蒸気をあてながら開いた竹を平らに成形したのでしょう。盆の周囲は緩く湾曲しています。

表面は比較的滑らか、裏は竹の繊維がごつごつしています。おそらく、竹を開いて圧縮成形し、竹の表面が表側、内が裏側になったのでしょう。

表面には、周囲をグルッと囲んだ中に、水車のような模様があります。

これも、てっきりプレス模様だと思ったのですが、

よく見てみると・・・・

凹部には、竹の繊維が見えません。

これは、プレスではなく、鋭い刃で竹を削ってできた模様ですね。

四角く囲んだ部分も含めれば、かなり手間のかかる作業です。

せっかくですから、香炉を置いてみました。

陶磁器よりも、鉄製の香炉の方が合いますね。

 

 

 

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