■メイン写真
大正池から見た穂高連峰
■今回のコース
8/3 中の湯旅館[泊]
8/4 中の湯旅館⇒大正池バス停→大正池→田代湿原・田代池→ウエストン碑→
河童橋→穂高神社奥宮→徳澤園[泊]
8/5 徳澤園→明神→河童橋→上高地バスターミナル⇒中の湯バス停⇒中の湯旅館
槍・穂高への登山のときには「すっ飛ばして」しまう上高地。
一般人の観光バスツアーでは、「河童橋で1時間、自由行動ね」と言われゆっくり
できない上高地。
そこで今回は、じっくりゆっくり、上高地を徹底散策し、ついでにグルメも楽しもうと
企画してみた。登山ではなかったが、これがなかなか、楽しかった。
初日は中の湯温泉に前泊した。
豪華な夕食に舌鼓。
日本秘湯を守る会限定の地ビールで、ちょっと贅沢。
ブナの天然酵母を使用した珍しいビールだ。
この夜は、たまたま「星のおねえさん」で登山ガイドでもある八巻枝美ちゃんが
中の湯温泉にゲストで来られ、星のお話をしていただけるとあって盛り上がった。
八巻ちゃんとは、いつも偶然に旅先で会うが、3度目ともなると不思議な縁が
あるとしか思えない。
4日朝、みごとな快晴。
旅館のクルマで大正池まで送って頂き、いきなりこの眺め。すばらしすぎる~!
木立の中を田代湿原へ向かう。
田代湿原から見た穂高連峰。
う、美しいのだ。。。
100mだけ寄り道すれば、田代池がある。
池といっても、経年変化でかなり埋まってきており、川の流れが少し広がっている
ような状態になっきているが、バックに六百山を控えた美しさは不変。
木道のすぐ横に悠然とたたずんでいた野鳥。アオジだろうか。
歩きやすい木道が続く。
いくら涼しい上高地といっても、このところの猛暑で、ふだんより5~6度ほど
暑い感じだ。日なたは強い日差しで、より暑さを感じる。
この7月の集中豪雨で、一部区間が通行止めになっている。
河童橋へのいちばん梓川寄りの道が崩れているようだ。
ところどころで清流を渡る。
イワナが気持ちよさそう。
橋を渡って、梓川の右岸へ。
淡いブルーの流れが梓川の魅力だ。
ルミエスタホテルを過ぎたあたりから、ふたたび流れを眺める。
ウエストン碑。お久しぶりです。
マガモが至近距離で草を食んでいた。
河童橋西岸のカフェ「TROIS CINQ (トワサンク)」に到着。
今回、狙っていた立ち寄り店のひとつだ。
幸い、10分ほど並んだだけで、お目当てのアップルパイが買えた。
パイは、ホールあたり最低6個のふじりんごが使われているとあって、
重厚な果実感でじつに美味かった。
河童橋にて。10:50頃になると、穂高連峰にはもう雲がかかり始めていた。
明神へ向かう。やはり7月の豪雨被害のため、梓川右岸の道を歩くことになる。
たいていは左岸を歩くので、これはこれで貴重な経験だ。
岳沢湿原にて。
かつて「立ち枯れの樹木」というと大正池の代名詞だった。
それぞれの池や湿原をていねいに巡るのも良い。
根上がり現象の木。ちょうどくぐれるサイズ。
こうした巨樹も見ながら、快調に進む。
治山運搬路のすぐ南側に、自然探勝路(梓川右岸路)がある。
明神にある穂高神社奥宮に到着。
鳥居から明神岳5峰が、まるで槍ヶ岳のように尖って見える。
明神岳は、かつては「穂高明神のための山」という意味で、穂高岳全体を
さしていたという。
なお、江戸時代の「上高地」は、現在の明神地区を指していた。当時は、島々から
徳本峠を越えてアプローチしていたため、明神が玄関口だったのだ。
まずはお昼どきなので、少し並んで、嘉門次小屋で岩魚定食を注文。
炭火で丁寧に焼き上げるため、岩魚は頭から骨ごとすべて食べられる。
穂高神社奥宮で、拝観料500円を支払い、神聖な明神池を観に行く。
オシドリが悠々と、雛を連れて水面を滑っていく。
境内のはずれからは、明神池からあふれ出した水が渓流となって流れ出ている。
上高地エリアではあまりない、せせらぎが聞こえる流れである。
ハリケーンランプ(灯油ランタン)がおしゃれな山のひだやにも寄る。
この冬、スノーシュー山行で宿泊させていただいて以来。
おかみさんに挨拶し、ランチの直後であったにも関わらず、ここでお茶を楽しんだ。
ハバチの幼虫!
明神橋を渡る。
迂回区間を終え、一路、徳沢を目指す。
徳本峠への分岐(白沢出合)、湧水で満たされた古池などを経て、ひたすら歩く。
徳沢のテン場が見えてきた。
色とりどりのテントで、賑やかそのもの。
氷壁の宿・徳澤園に到着。
夕方、雨が降るかもという天気予報だったが、持ちこたえてくれた。
調度品がレトロで高級。もはや山小屋とはいえない豪華なお宿。
かつての大部屋(ほたか)は、コロナ後、カプセルホテルのような半個室に
生まれ変わった。豪華寝台列車のようなたたずまいである。
荷物を置いたら、喫茶コーナーでまったり過ごす。
ともちゃんが頼んだコーラフロートは、ソフトクリームに、自分でコーラを
注ぐやり方。Mr.Dashはここでの定番、コーヒーフロートを楽しんだ。
すぐ近くを流れる沢(梓川の支流)で、1日歩いた足を冷やす。
水が冷たすぎて10秒も続けて浸すことができないが、一気にむくみが
取れる思いがする。このあと、風呂に入った。
相変わらずの豪華な夕食。地元産の食材をふんだんに使うこだわりも好感がもてる。
(実際は、写真の内容に加え、蕎麦が出てくる。)
部屋の窓から中庭(一般立入禁止エリア)を見下ろすと、マガモの一家が
自由奔放に過ごしていた。そうか、ここにはハイカーも天敵も来ないのだ。
最終日は、上高地バスターミナルへ戻るだけ。
往路には気づかなかった花など、新しい発見もあったが、一番はこれ。
ほんの数メートル先に、ミソサザイがなんの警戒心もなく高らかに歌っていた。
河童橋左岸の五千尺キッチンでランチを済ませ、バスターミナルで東京からの
お客様とお別れして中の湯バス停へ。中の湯温泉でひとっ風呂いただいて
豪華なゆったりハイクを終えた。たまにはこんな感じ、いいなあ。