
このGW前半は出勤が続いたが、後半は休めることになった。
そこで、3000mの春山へということで槍ヶ岳(槍沢ノーマルルート)に行くことにした。
このところ1000m未満の低山ばかりだったので、高山に飢えていたのだろう。
急な企画だったが、Y井さん、ノブちゃんが参加してくれるという。
ともちゃんに山小屋や宿などの予約をお願いし、ドタバタで計画をまとめた。

5月2日、高速を飛ばし、アカンダナ駐車場に車をデポし、バスで上高地入り。
GWとはいえ平日なので、人出は意外に多くない。

むしろ上高地から明神、徳沢、横尾と歩く中ではサルの方が目についた(笑)。
最近は登山道の脇で草の芽を摘んでいるヤツもいて、人間様がすぐ横を通っても
平気になっている。写真は徳沢の公衆トイレの向かいの木に登っていたヤツで、
カメラ目線をとったあと、枝から落ちそうになって慌てていた。

横尾までの間は、ところどころ雪だまりが残っていて、歩けるようにちゃんと
切通しが作られていた。最後は資材運搬路へ迂回して、横尾山荘に着いた。
新館オープンして初めて泊まったが、非常に快適。
夏場には芋の子を洗うように混雑する風呂にも、のびのびと入れた。

3日朝、睡眠十分、気合充実、そして外は快晴!
踏み固められた雪が凍りつき、ところどころ滑りやすくなっているが、
ルートは全く問題なし。

槍見河原では、夏場は樹木の葉が茂り最近は槍の穂先も見づらいのだが、
この季節ならご覧のとおり。
槍沢ロッヂでセルフサービスの100円コーヒーを飲み、
ここでアイゼンを装着する。
ババ平までは、ほぼ夏山のコースタイムだ。もう一度、ちらっと槍の穂先が見える。
ここから先の急坂で、4人パーティがばらける。

そんなに急いでいるつもりはないのだが、どんどん差がついてしまうので
少し登っては撮影しながら待ち、というペースになってしまった。


標高2600mを超えると、槍の穂先が再び姿を現す。
さっきはあれほど遠かったのが、もう眼前に迫るようだ。
しかし、ここからが実は遠い。殺生ヒュッテの直下を通り過ぎ、
最後の急登がたいへんだ。

後続を待っていても、冷たい風が流れてくるので寒くて仕方ない。
一足先にコルに達し、槍ヶ岳山荘の前で風を避けながら、皆が到着するのを待った。
(写真は、点々と登って来るともちゃん、ノブちゃん、Y井さん)
それはそうと、最後の急登で救助隊員たちが訓練をしているように見えたが、
通りがかりに見ると怪我人が担架に乗せられていた。
元気に話しているところを見ると元気な様子。

やがてヘリコプターがやってきて、あっという間に担架を吊り下げて
どこかへ飛び去っていった。鮮やかな救助劇だった。
このGWは、北アルプスのみならず、各所で遭難事故が起きているが、
この件はザッと検索したところ記事にはなっていないようだ。
定かではないがスノーボーダーの事故との話を耳にした。
急坂を必死で登ってきた後続メンバーは、疲労の色が濃いが、
槍のピークは今、見事に晴れている。ぜひ、今のうちにピークを踏んでおきたい。
皆は空身になってもらい、ハーネスを着用してもらう。
穂先に向け、Mr.Dashはザックにザイルを入れて先導する。

岩が剥き出しになっているところと、カチカチの氷が張り付いているところが
入り混じり、なかなか面白い状態になっている。
ピッケルを打ちつけながら身体を確保し、時折、アイゼンで氷に段々を
刻みながら登っていく。鎖の一部は氷の下。ただ、ハシゴは完全に使える
状態だったのが幸い。

山頂は独占状態。360度のピューを心行くまで楽しめた。
周囲は白銀の山、山、山。

中でも常念岳の美しさは、いつ見てもすばらしい。
ぐるっと一周、写真を撮ってしまった。
穂先からの下山は、念のため持参したザイルを出してメンバーを
安全(過保護)にサポートした。
他にも、やはりザイルを使いながら上り下りしているパーティがいた。
マッターホルン登頂のときを思い出した。あの時はこっちが
サポートされる立場だったが。
小屋に着く前にガスが出始め、やがて穂先は見えなくなった。
登っておいて良かった。
ところでY井さんの顔が、ひどい日焼けで、かわいそうな状態になっていた。
春山での日焼け止めクリームは必需品である。
この日は槍ヶ岳山荘でぬくぬくと宿泊。しかも個室を貸切状態!
残念ながら日の入りはガスが晴れずに見ることができなかった。
だから何もすることがなくなったという訳ではないが、疲れが出て、
酒盛りをする気力もなく、19時過ぎには皆、早々に寝てしまった。
ああ、そういえば、ともちゃんが携帯用パルスオキシメーター
(血中酸素測定器)を持ってきていたので皆で図ったら
Mr.Dashは95。あほみたいに平地並みだ!
低いメンバーで84。ちょっと高所の影響が出るかもなと思ったら、
翌朝、空咳が出て、朝食も1膳止まりだったので、ほう、数字は正直だなと思った。
4日。槍ヶ岳山荘に着いたときに提示した「モンベルカード」の特典として
コーヒーを無料でいただく。普通に注文すれば500円もするだけに、なんだか
ものすごくVIP待遇を受けている気分。

身支度を整えて、下山を開始する。今日もいい天気だ。

祝日を機に登山者が数珠つなぎになって登ってくる。
1日違いで、こんなに変わるのか。
これだけ押し寄せたら、今日の槍の穂先は大渋滞だろう。
ところで往路、上高地から横尾までを重登山靴で歩いて、足の指に違和感が
あったので靴紐をきつく結んだが、これが裏目に出た。
右足が締まりすぎて圧迫され、打ちみのようになっている。
痛いので、ババ平まで飛ばしたが、変にかばうように歩いたのか、
右ひざの横側に、今まで経験したことがない痛みが走った。
これは困った。うう、我慢しながら上高地まで歩くしかない。

槍沢の美しい流れに沿うようになって、アイゼンも外したら、
足が軽くなったのはいいが、右足が踏ん張れずにスリップし、
お尻からデーンと豪快に転倒。いや、参った。
上高地までは足を引きずりながら、ハイカーに抜かれながら歩く。
それでも横尾から実質2時間半で歩いているのだが…なさけない。
バスターミナルに着き、とりあえず人心地。
アカンダナ駐車場に着くと、ともちゃんが周囲に群生している
フキノトウをホクホク顔で採取していた。
今日、明日あたりの夕食に出てくるのかな。
バスの車窓から、奥飛騨温泉郷平湯温泉「ひらゆの森」が、ものすごい混雑で
あるのを見ていたので、平湯バスターミナル3階の温泉を利用した。
予想通りすいていて、大いにくつろげた。
右足の親指と小指、そして左足の小指と踵には、水ぶくれができていた。
さらに右脚はハイカットの靴の圧迫で擦れて赤く腫れており、
右膝は抜けたような痛み。
さらに槍の穂先でピッケルをふるい工作していたためか、右肩、右腕が
だるいという、まぁ最悪の状態。
我ながら、ヤワなものだ。日ごろ、1000mに満たない里山ばかり
うろついているからだ。
Y井さんは顔の日焼けがひどくなって気の毒だったが、
Y井さんがこの温泉の番台のおばちゃんに近所に薬を置いている店が
ないか相談したら、おそらくお手製と思われるアロエ焼酎を分けてくださった。

この日は、あらかじめネット予約してあった「ペンションいしみず」に宿泊。
ほおの木平スキー場にほど近い、国道158号線沿いの素朴な宿。
宿のご夫婦のアンチークコレクションが、所狭しと並んでいるが、
中でも「下駄スケート」や、本当に獣の毛皮製シールが貼ってある
年代もののスキーには感動した。
また、夕食のコース料理は、なかなか美味だった。
5日。身体の節々が痛い。でも、今日は帰るだけだ。
急いで帰るまでもないので、途中の観光スポットを寄り道する。
今回は郡上八幡で高速を下りて、大滝鍾乳洞と縄文洞を訪れた。

大滝鍾乳洞は、木製のケーブルカーで洞窟入口にアプローチする。
Mr.Dashは、変わった乗り物に乗るだけで、子供のように
はしゃいでしまう。いや、子供のときからずっとはしゃいでいるだけか。

洞内は大きな鍾乳石のオンパレード。
落差30mの滝もあって、自然の造形にひたすら感動する。

続いて入った縄文洞は、「ミステリーツアー」と称して、洞内の照明が
すべて消されている。入口で懐中電灯を貸してくれるのだが、
それに加え、山屋なら必需品のヘッ電をつけて入洞してみた。
鍾乳石の規模は大滝鍾乳洞に譲るが、迷路状のルートが面白い。
途中に縄文人の居住跡があったり、何より真っ暗の闇の中、
探検気分を堪能できるのがいい。
天井でじっとしているコウモリも見つけたが、そっと指で身体を撫でたら
びくびくっと身震いしたので笑ってしまった。
このあとは、幸い渋滞もなく、まだ明るいうちに奈良に戻れた。
去年は悪天にたたられた連休だったが、今年は晴れてよかった。
海の日連休、夏休みも晴れてね!
そこで、3000mの春山へということで槍ヶ岳(槍沢ノーマルルート)に行くことにした。
このところ1000m未満の低山ばかりだったので、高山に飢えていたのだろう。
急な企画だったが、Y井さん、ノブちゃんが参加してくれるという。
ともちゃんに山小屋や宿などの予約をお願いし、ドタバタで計画をまとめた。

5月2日、高速を飛ばし、アカンダナ駐車場に車をデポし、バスで上高地入り。
GWとはいえ平日なので、人出は意外に多くない。

むしろ上高地から明神、徳沢、横尾と歩く中ではサルの方が目についた(笑)。
最近は登山道の脇で草の芽を摘んでいるヤツもいて、人間様がすぐ横を通っても
平気になっている。写真は徳沢の公衆トイレの向かいの木に登っていたヤツで、
カメラ目線をとったあと、枝から落ちそうになって慌てていた。

横尾までの間は、ところどころ雪だまりが残っていて、歩けるようにちゃんと
切通しが作られていた。最後は資材運搬路へ迂回して、横尾山荘に着いた。
新館オープンして初めて泊まったが、非常に快適。
夏場には芋の子を洗うように混雑する風呂にも、のびのびと入れた。

3日朝、睡眠十分、気合充実、そして外は快晴!
踏み固められた雪が凍りつき、ところどころ滑りやすくなっているが、
ルートは全く問題なし。

槍見河原では、夏場は樹木の葉が茂り最近は槍の穂先も見づらいのだが、
この季節ならご覧のとおり。
槍沢ロッヂでセルフサービスの100円コーヒーを飲み、
ここでアイゼンを装着する。
ババ平までは、ほぼ夏山のコースタイムだ。もう一度、ちらっと槍の穂先が見える。
ここから先の急坂で、4人パーティがばらける。

そんなに急いでいるつもりはないのだが、どんどん差がついてしまうので
少し登っては撮影しながら待ち、というペースになってしまった。


標高2600mを超えると、槍の穂先が再び姿を現す。
さっきはあれほど遠かったのが、もう眼前に迫るようだ。
しかし、ここからが実は遠い。殺生ヒュッテの直下を通り過ぎ、
最後の急登がたいへんだ。

後続を待っていても、冷たい風が流れてくるので寒くて仕方ない。
一足先にコルに達し、槍ヶ岳山荘の前で風を避けながら、皆が到着するのを待った。
(写真は、点々と登って来るともちゃん、ノブちゃん、Y井さん)
それはそうと、最後の急登で救助隊員たちが訓練をしているように見えたが、
通りがかりに見ると怪我人が担架に乗せられていた。
元気に話しているところを見ると元気な様子。

やがてヘリコプターがやってきて、あっという間に担架を吊り下げて
どこかへ飛び去っていった。鮮やかな救助劇だった。
このGWは、北アルプスのみならず、各所で遭難事故が起きているが、
この件はザッと検索したところ記事にはなっていないようだ。
定かではないがスノーボーダーの事故との話を耳にした。
急坂を必死で登ってきた後続メンバーは、疲労の色が濃いが、
槍のピークは今、見事に晴れている。ぜひ、今のうちにピークを踏んでおきたい。
皆は空身になってもらい、ハーネスを着用してもらう。
穂先に向け、Mr.Dashはザックにザイルを入れて先導する。

岩が剥き出しになっているところと、カチカチの氷が張り付いているところが
入り混じり、なかなか面白い状態になっている。
ピッケルを打ちつけながら身体を確保し、時折、アイゼンで氷に段々を
刻みながら登っていく。鎖の一部は氷の下。ただ、ハシゴは完全に使える
状態だったのが幸い。

山頂は独占状態。360度のピューを心行くまで楽しめた。
周囲は白銀の山、山、山。

中でも常念岳の美しさは、いつ見てもすばらしい。
ぐるっと一周、写真を撮ってしまった。
穂先からの下山は、念のため持参したザイルを出してメンバーを
安全(過保護)にサポートした。
他にも、やはりザイルを使いながら上り下りしているパーティがいた。
マッターホルン登頂のときを思い出した。あの時はこっちが
サポートされる立場だったが。
小屋に着く前にガスが出始め、やがて穂先は見えなくなった。
登っておいて良かった。
ところでY井さんの顔が、ひどい日焼けで、かわいそうな状態になっていた。
春山での日焼け止めクリームは必需品である。
この日は槍ヶ岳山荘でぬくぬくと宿泊。しかも個室を貸切状態!
残念ながら日の入りはガスが晴れずに見ることができなかった。
だから何もすることがなくなったという訳ではないが、疲れが出て、
酒盛りをする気力もなく、19時過ぎには皆、早々に寝てしまった。
ああ、そういえば、ともちゃんが携帯用パルスオキシメーター
(血中酸素測定器)を持ってきていたので皆で図ったら
Mr.Dashは95。あほみたいに平地並みだ!
低いメンバーで84。ちょっと高所の影響が出るかもなと思ったら、
翌朝、空咳が出て、朝食も1膳止まりだったので、ほう、数字は正直だなと思った。
4日。槍ヶ岳山荘に着いたときに提示した「モンベルカード」の特典として
コーヒーを無料でいただく。普通に注文すれば500円もするだけに、なんだか
ものすごくVIP待遇を受けている気分。

身支度を整えて、下山を開始する。今日もいい天気だ。

祝日を機に登山者が数珠つなぎになって登ってくる。
1日違いで、こんなに変わるのか。
これだけ押し寄せたら、今日の槍の穂先は大渋滞だろう。
ところで往路、上高地から横尾までを重登山靴で歩いて、足の指に違和感が
あったので靴紐をきつく結んだが、これが裏目に出た。
右足が締まりすぎて圧迫され、打ちみのようになっている。
痛いので、ババ平まで飛ばしたが、変にかばうように歩いたのか、
右ひざの横側に、今まで経験したことがない痛みが走った。
これは困った。うう、我慢しながら上高地まで歩くしかない。

槍沢の美しい流れに沿うようになって、アイゼンも外したら、
足が軽くなったのはいいが、右足が踏ん張れずにスリップし、
お尻からデーンと豪快に転倒。いや、参った。
上高地までは足を引きずりながら、ハイカーに抜かれながら歩く。
それでも横尾から実質2時間半で歩いているのだが…なさけない。
バスターミナルに着き、とりあえず人心地。
アカンダナ駐車場に着くと、ともちゃんが周囲に群生している
フキノトウをホクホク顔で採取していた。
今日、明日あたりの夕食に出てくるのかな。
バスの車窓から、奥飛騨温泉郷平湯温泉「ひらゆの森」が、ものすごい混雑で
あるのを見ていたので、平湯バスターミナル3階の温泉を利用した。
予想通りすいていて、大いにくつろげた。
右足の親指と小指、そして左足の小指と踵には、水ぶくれができていた。
さらに右脚はハイカットの靴の圧迫で擦れて赤く腫れており、
右膝は抜けたような痛み。
さらに槍の穂先でピッケルをふるい工作していたためか、右肩、右腕が
だるいという、まぁ最悪の状態。
我ながら、ヤワなものだ。日ごろ、1000mに満たない里山ばかり
うろついているからだ。
Y井さんは顔の日焼けがひどくなって気の毒だったが、
Y井さんがこの温泉の番台のおばちゃんに近所に薬を置いている店が
ないか相談したら、おそらくお手製と思われるアロエ焼酎を分けてくださった。

この日は、あらかじめネット予約してあった「ペンションいしみず」に宿泊。
ほおの木平スキー場にほど近い、国道158号線沿いの素朴な宿。
宿のご夫婦のアンチークコレクションが、所狭しと並んでいるが、
中でも「下駄スケート」や、本当に獣の毛皮製シールが貼ってある
年代もののスキーには感動した。
また、夕食のコース料理は、なかなか美味だった。
5日。身体の節々が痛い。でも、今日は帰るだけだ。
急いで帰るまでもないので、途中の観光スポットを寄り道する。
今回は郡上八幡で高速を下りて、大滝鍾乳洞と縄文洞を訪れた。

大滝鍾乳洞は、木製のケーブルカーで洞窟入口にアプローチする。
Mr.Dashは、変わった乗り物に乗るだけで、子供のように
はしゃいでしまう。いや、子供のときからずっとはしゃいでいるだけか。

洞内は大きな鍾乳石のオンパレード。
落差30mの滝もあって、自然の造形にひたすら感動する。

続いて入った縄文洞は、「ミステリーツアー」と称して、洞内の照明が
すべて消されている。入口で懐中電灯を貸してくれるのだが、
それに加え、山屋なら必需品のヘッ電をつけて入洞してみた。
鍾乳石の規模は大滝鍾乳洞に譲るが、迷路状のルートが面白い。
途中に縄文人の居住跡があったり、何より真っ暗の闇の中、
探検気分を堪能できるのがいい。
天井でじっとしているコウモリも見つけたが、そっと指で身体を撫でたら
びくびくっと身震いしたので笑ってしまった。
このあとは、幸い渋滞もなく、まだ明るいうちに奈良に戻れた。
去年は悪天にたたられた連休だったが、今年は晴れてよかった。
海の日連休、夏休みも晴れてね!