2012年も残すところあと1か月を切り、競馬界もいよいよ総決算の時期を迎えました。2日は阪神競馬場で下半期のダート実力ナンバー1決定戦第13回ジャパンカップダート(GI・ダート1800m 16頭立て)が行われました。外国馬不在で日本馬のみのレースとなった今年のJCDは、同一GI3連覇を狙う⑦トランセンド、2009年の勝ち馬でダートGI7勝の④エスポワールシチー、ダート6連勝中の⑩ローマンレジェンド、JBCクラシックで悲願のGI初Vを果たした⑫ワンダーアキュート、3歳ダート王①ハタノヴァンクール、武蔵野ステークスを勝った3歳馬⑧イジゲン、他にもダート初挑戦の⑤トゥザグローリー、レパードステークスを勝った⑨ホッコータルマエ、砂の女王③ミラクルレジェンド、⑭ニホンピロアワーズなど、ダート戦線で活躍する馬達が集結しました。
直前の単勝の上位人気は、1番人気がローマンレジェンド(2.3倍)、エスポワールシチー2番人気(6.0倍)、3番人気ワンダーアキュート(6.2倍)。4番人気以降はイジゲン(7.1倍)、トランセンド(9.0倍)、ニホンピロアワーズ、トゥザグローリー、ハタノヴァンクールと続きました。
スタート前、イジゲンがゲートの中で全く落ち着きを見せず。そしてゲートが開いた直後、⑥ナムラタイタンが躓いて落馬寸前。イジゲンも遅れてしまった。スタンド前での先行争いで、エスポワールがハナを主張し、タルマエとアワーズも前を伺う。トランセンドは出鞭を入れながらも前に行けず。ローマンレジェンドは中団より前の位置、スタートでミスしたイジゲンは後方からの競馬。
1コーナーから向正面に差し掛かり、エスポワールシチーが積極果敢に逃げ、2番手の位置にホッコータルマエとトランセンドが並走。4番手ニホンピロアワーズ、アキュート5番手、6番手のところに②シビルウォーと⑬グレープブランデー、ローマンは8番手追走。9番手にトゥザグロ、ミラクルレジェンドとナムラタイタンが10番手で並び、イジゲン12番手、⑮ソリタリーキング13番手、14番手のところに⑫ダモンカモンと⑯ナイスミーチュー。そしてヴァンクールが最後方から進出開始。
3コーナーをカーブし、先頭のエスポワールシチーは前半1000mを59秒7のハイペースで通過。2番手集団ではタルマエが前に出て、アワーズがトランセンドをかわす。グレープブランデーが5番手に上がり、トゥザグローリーとイジゲンがが大外に持ち出す。ローマンレジェンドまだ馬群の中。4コーナーを回ったところで16頭がひと塊となり、直線でホッコータルマエがエスポワールを捉えるが、すぐさまニホンピロアワーズがかわす。ローマンレジェンドが上がってきたが、アワーズがラスト100mで完全に抜け出し、後は後続を引き離してぶっちぎりでゴールイン!ワンダーアキュートがゴール前でタルマエをかわして2着、ローマンレジェンドは4着入線…。
全着順&払戻金
1着⑭ニホンピロアワーズ 1分48秒8
2着⑫ワンダーアキュート 3馬身1/2
3着⑨ホッコータルマエ 1/2馬身
4着⑩ローマンレジェンド 2馬身
5着⑬グレープブランデー 1/2馬身
6着③ミラクルレジェンド 1馬身1/2
7着⑥ナムラタイタン 3/4馬身
8着①ハタノヴァンクール クビ
9着②シビルウォー 1馬身1/4
10着④エスポワールシチー クビ
11着⑯ナイスミーチュー クビ
12着⑤トゥザグローリー アタマ
13着⑮ソリタリーキング クビ0
14着⑪ダノンカモン 3/4馬身
15着⑧イジゲン 4馬身
16着⑦トランセンド 2馬身1/2
単勝 14 1990円
複勝 14 500円 12 260円 9 820円
枠連 6-7 3530円
馬連 12-14 4290円
馬単 14-12 11620円
ワイド 12-14 1260円 9-14 3770円 9-12 2790円
3連複 9-12-14 30010円
3連単 14-12-9 165230円
冬の阪神で新たなる砂の王者が誕生しました。単勝6番人気だったニホンピロアワーズが、最後の直線でホッコータルマエをかわすと、鞭が入ってすぐにスピードが上がり、後続を突き放して最後は2着に3馬身半差をつけての快勝でした。アワーズは地方の交流重賞で3勝挙げておりますが、JRA重賞はこれが初勝利となります。並み居る強豪を退け、ダート界の主役に躍り出たニホンピロアワーズ、今後もGIタイトルを獲得し、一時代を築き挙げられるでしょうか?
2着のワンダーアキュートは昨年に続いての銀メダル、3歳馬・ホッコータルマエが3着と健闘しました。1番人気に支持されていたローマンレジェンドは4着に終わり、自身の連勝も6でストップ。GIのプレッシャーもさることながら、騎乗停止の岩田康誠騎手に代わって騎乗したミルコ・デムーロ騎手がローマンの強さを引き出せなかったのが敗因かもしれない。GI8勝目を狙ったエスポワールシチーは思い切って逃げを見せたけど、最後バテて10着。15着のイジゲンは今回もスタートに失敗。3連覇を目指したトランセンドは最下位の16着。スタートしてすぐ藤田伸二騎手の手が動いてたし、前回のJBC同様前に行けず、4コーナーでは後方までズルズル下がって行きました。エスポワールとトランセンドのベテラン2強もそろそろ潮時か?
優勝したニホンピロアワーズに騎乗した酒井学騎手は、デビュー15年目で嬉しいGI初勝利。デビューした1998年には25勝しながらも、その後は2001年から7年連続1ケタ勝利と勝ち星に恵まれず、2006年にはわずか1勝のみと苦しみました。しかし、2011年に自己最多の36勝をマークし、今年も20勝以上挙げています。苦節15年で手にした初めての勲章、今日まで諦めずに続けられてよかったですね!
来週は2歳女王決定戦「第64回阪神ジュベナイルフィリーズ」が行われます。ファンタジーステークスを勝ったサウンドリアーナ、アルテミスステークス初代優勝馬・コレクターアイテム、3戦2勝のエイシンラトゥナ、1戦1勝ながら注目度が高いオツウ、プリンセスジャック、タガノミューチャン、ディアマイベイビー 、ローブティサージュなどが登録しています。この中から2013年の牝馬クラシックの主役、さらには未来の女傑が現れるかも!?