12月6日に開幕した「TOYOTAプレゼンツ FIFAクラブワールドカップ ジャパン 2012」は、17日に横浜国際総合競技場で決勝戦を迎えました。今年の決勝のカードは、チェルシー(イングランド)VSコリンチャンス(ブラジル)という「欧州VS南米」の頂上対決。チェルシーが勝てば初優勝&欧州勢6連覇、コリンチャンスが勝てば2000年の「世界クラブ選手権」以来12年ぶり2度目の優勝となります。決勝戦はコリンチャンスの熱狂的サポーター軍団の声援が響き渡る中行われ、一進一退の攻防が続きました。
両チームのスタメン
[コリンチャンス]
GK 12 カシオ
DF 2 アレッサンドロ
DF 3 シカオ
DF 6 ファビオ・サントス
DF 13 パウロ・アンドレ
MF 5 ラルフ
MF 8 パウリーニョ
MF 20 ダニーロ
FW 9 パオロ・ゲレーロ
FW 11 エメルソン
FW 23 ジョルジ・エンリケ
[チェルシー]
GK 1 ペトル・チェフ
DF 2 ブラニスラフ・イバノビッチ
DF 3 アシュリー・コール
DF 4 ダビド・ルイス
DF 24 ガリー・ケーヒル
MF 7 ラミレス
MF 8 フランク・ランパード
MF 17 エデン・アザール
FW 9 フェルナンド・トーレス
FW 10 フアン・マタ
FW 13 ビクター・モーゼス
前半6分、コリンチャンスは左サイドのスローインからサントス→フリーになっていたパウリーニョにボールが渡るが、チェルシーDFがカット。チェルシーは10分、中盤でランパードがロングパスを入れ、トーレスが受けるも相手DFに奪われ、右サイドからモーゼスが奪い返すも、トーレスシュート不発。続く右CKをケーヒルが頭で合わせたが、シュートはDFに当たり、こぼれ球をケーヒルが右足で押し込もうとしたが、コリンチャンスGK・カシオが間一髪でキャッチ。チェルシー、絶好の先制チャンスを逃してしまう。
コリンチャンスは18分、自陣で相手ボールを奪ってカウンターを仕掛け、左サイドのダニーロ→中央のエンリケが右足ミドルシュートを放ったが、GKチェフにキャッチされる。20分にはパウリーニョがミドルを狙うも枠を捉えられない。22分、エンリケのスルーパス→エメルソンが中央突破しようとしたが、DFにカットされた。26分にはゲレーロがペナルティエリア内に進入し、相手DF・ケーヒルに押し倒されたがPKの判定は無し。29分、ゲレーロのスルーパス→エメルソンがDFをかわして右足振り抜くも決められない。
チェルシーは33分、左サイド・アザールのクロスを右にいたモーゼスが胸でトラップしてからシュートを放ったが、浮かせてしまった…。対するコリンチャンスは35分、ゲレーロがDFをかわすもシュートは左へ流れ、エメルソンがこぼれ球を左足でシュートしたが、ポストに直撃してノーゴール。38分、チェルシーはランパードのロングパス→トーレスが右足でシュートを打ったが、GKにキャッチされる。更に39分、カウンターからモーゼスが左サイドから狙ったが、シュートはGKカシオのファインセーブに阻まれた。41分にはマタが強烈な左足ボレーを放つも、GKカシオがしっかりとキャッチ。前半は互いに決定的なシーンがありながらも、無得点で折り返し。
後半、チェルシーは6分に左サイドのアシュリー・コールの折り返しからチャンスを生まれたが、コリンチャンス守備陣が波状攻撃を防いだ。8分、マタが絶妙なスルーパスを入れ、アザールが飛び出すも、シュートはGKの足に防がれた。コリンチャンスは後半14分、ゲレーロがドリブル突破を見せると、18分に左サイドでゲレーロがエメルソンとのワンツーからペナルティ内に入ったが、折り返しはDFに阻まれる。更に19分、パウリーニョのシュートはゴール右に逸れる。そして迎えた後半24分、パウリーニョ→ダニーロのシュートはDFに当たるも、こぼれ球はGKの頭上を越え、最後はゲレーロがヘディングで押し込んでゴール!コリンチャンスが試合の均衡を破り1点を先制!
追いかけるチェルシーは27分、モーゼスを下げてブラジル代表のオスカルを投入。29分、左サイドのクロス→トーレスが飛び込んだが、右に外れる。後半38分にはイバノビッチOUT→アスピリクエタIN。後半40分、右サイドのアスピリクエタのスローイン→ゴール前にいたトーレスが右足でシュート放つも、GKカシオが同点ゴールを許さない!後半42分にはアスクリピエタが低いクロスを入れたが、トーレス届かず。後半アディショナル直前、ケーヒルがエメルソンへの暴力行為でレッドカードを貰い退場。後半47分、オスカルが左サイドでクロスを上げ、トーレスのヘディングシュートがゴールに吸い込まれ、土壇場で同点かと思われたたが、判定はわずかにオフサイド…。終了間際のチェルシーのラストプレー、マタがGKをかわし、右のところから左足シュートを狙うも、無情にもポスト直撃…。そしてそのまま試合終了!コリンチャンスが1-0でチェルシーを降してクラブ世界一!
クラブワールドカップ決勝戦は、試合終了の瞬間まで何が起きるのか分からないような試合となりました。両チームとも決定機でゴールを奪えない中で迎えた後半24分に、コリンチャンスのゲレーロ選手のゴールで均衡を破り、その後のチェルシーの反撃をGK・カシオを中心に守り切りました。コリンチャンスは2000年以来12年ぶり2度目のクラブ世界一、この大会で南米およびブラジルのクラブチームが制したのは2006年のインテルナシオナル以来となります。
決勝ゴールを決めたゲレーロは、準決勝に続いて2試合連続ゴール。GKのカシオ選手は強力なチェルシー攻撃陣を相手にファインセーブを連発したことが評価されて大会MVPを獲得。世界最高のGK・チェフより輝いてましたなあ。クラブW杯の活躍がきっかけで、来年以降ブラジル代表の正GKの座も射止めそうな予感がしますね。エメルソンとダニーロの元Jリーガー組も奮闘し、ダニーロは2005年にサンパウロでCWC優勝を経験しており、今回で2度目の優勝を味わう事になります。そして、コリンチャンスのサポーター集団の威力は凄かった!スタジアムを白と黒に染め、大声援でチームを後押ししていました。ブラジル・サンパウロに戻って来た時は、街中全体がお祭り騒ぎになる事でしょう…。
敗れたチェルシーは、何度も絶好のチャンスを作りながらも、1点を取れないまま終戦。前半10分にケーヒルのシュートはGKに抑えられ、モーゼスとマタのミドルもカシオに阻まれました。後半40分過ぎにはエースのフェルナンド・トーレスが決めるべきシュートを決められず、ロスタイムのヘディング弾もオフサイド…。大会前「クラブW杯優勝は至上命題」だと言われていたけど、結果はV逸。ベニテス監督も近いうちに粛清されるかもしれない…。
クラブチーム世界一決定戦は今年も大熱狂の末に閉幕。世界一の称号が再びブラジルに渡り、開催国代表のサンフレッチェ広島が5位入賞をおさめました。来年から2年間はモロッコで開催されます。日本のJリーグのクラブチームが大会に出場するためには、AFCチャンピオンズリーグで優勝しなければなりません。どうか来年の大家は、Jリーグのチームがアジア代表として参戦できますように。