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2月に入り、関東では東京競馬の冬季開催が開幕し、京都競馬の第2回開催もスタート。2月最初の日曜日の2日は、東京ではフェブラリーステークスの前哨戦・根岸ステークス、京都では2014年最初のスプリント重賞・シルクロードステークスが行われました。
京都メイン・第19回シルクロードステークス(GⅢ・芝1200m 16頭立て)には、京都1200mで4連勝と相性抜群の①レディオブオペラ、京阪杯4着の③ブレイズエターナル、8連続連対中の②ストレイトガール、2連勝中の⑪レオンビスティーのスプリント界の新勢力組、⑨マジンプロスパー、⑬スギノエンデバー、⑩サイレントソニックといったベテラン勢も参戦しました。
向正面でのスタートは16頭綺麗に揃い、先行争いでレディオブオペラが押しながら先手を奪い、馬場の真ん中からマジンプロスパーが2番手につけ、3番手集団は内からストレイトガール、レオンビスティー、アフォード、⑭ケイアイアストンの4頭が固まり、その後ろのグループには⑥リトルゲルダ、⑦ワキノブレイブ、⑧ザッハトルテ、⑯テイエムオオタカ、中団より後ろの集団にはブレイズエターナル、スギノエンデバー、④シュプリームギフト、⑤プリンセスメモリーが固まり、後方は⑩サイレントソニック、⑮ラインブラッドが追う。
先頭を行くレディオペは内回りの3・4コーナーを回り、早くも直線コースに差し掛かる。ストレイトが単独2番手に浮上し、プロスパーやゲルダも追いかける。残り200mでストレイトガールがレディオブオペラに並ぶと、残り100mで抜いて単独先頭。外からリトルゲルダが2番手のレディオペに迫る。先頭のストレイトはゴール前で引き離してゴールイン!直線一気に弾けて重賞初制覇!新スプリント女王へ大きく名乗りを挙げました。
今年のスプリント戦線を占う一戦は、単勝2番人気のストレイトガールが2着に2馬身差の快勝。道中は2番手で追走し、ラストの直線で切れ味鋭い末脚で差し切りました。上がり3Fは33.0秒と他馬を圧倒。2着争いはレディオブオペラとリトルゲルダが並んでゴールしましたが、レディオペが何とか2着を確保し、ゲルダがハナ差の3着。終わってみれば牝馬勢が上位を占める結果となりました。
勝ったストレイトガールは、昨年は7戦5勝、うち函館では4勝をマーク。重賞初挑戦のキーンランドカップでは2着に敗れましたが、約3か月半の休み明けで臨んだ尾張ステークスで快勝。今回のレースも勝って2連勝&9連続連対となりました。この馬の血統を見てみると、父はフジキセキ、母・ネヴァーピリオドの父はタイキシャトル。キレのある走りと安定感は母父譲りかもしれません。今の充実ぶりからすれば、高松宮記念も行けると思います。
レディオブオペラは単勝1.6倍と断然の1番人気を集めていたんですが、前走(淀短距離ステークス)から-14㎏の大幅減が大きく影響しました。鞍上の藤田伸二騎手も「体重がなあ…。数字を聞いた時怪しい気がした」と馬の異変を感じるコメントがありました。ちなみに、当日の馬体重・478Kgは、デビュー以来最軽量だそうです。ここで勝って5連勝達成なら高松宮記念の最有力候補と言われていただけに、痛い一敗を喫しました。しっかり馬体重を戻さないと本番では勝てないでしょう。
東京メイン・第28回根岸ステークス(GⅢ・ダート1400m)は、16頭立てで争われました。今年から優勝馬にフェブラリーステークスの優先出走権が与えられ、ダートで実績のある馬たちが多数参戦。ジャパンカップダート4着の⑬ブライトライン、芝のスプリント重賞で2勝を挙げ、昨年末の兵庫ゴールドトロフィーでダート重賞初Vを挙げた⑧ドリームバレンチノ、2012年のフェブラリーS優勝馬⑩テスタマッタ、2年前の勝ち馬⑭シルクフォーチュン、カペラステークスを勝った⑨ノーザンリバー、②アドマイヤロイヤル、⑥ゴールスキー、①エーシントップ、公営・浦和競馬所属の⑦ジョーメテオ、⑤スノードラゴンなどが出走しました。
スタートで④スリーボストンがポンと飛び出し、内からエーシントップ、ドリームバレンチノ、ブライトラインが好位追走。5,6番手に③ダノンカモンとノーザンリバー、7番手⑮アドマイヤサガス、中団には9番手の⑯セイクリムズンが8番手の⑫ティアップワイルドに並びかける。最内の10番手にアドマイヤロイヤル、その横にゴールスキー並走。12,13番手に⑤スノードラゴンと⑪セレスハント、後方はテスタマッタ、ジョーメテオ、シルクフォーチュンと続く。
3,4コーナー中間点を過ぎ、ボストン、バレンチノ、ブライト、大外のサガスの4頭が先頭集団を形成。トップやダノカモも馬群の中からチャンスをうかがう。直線に入り、残り400mでドリームバレンチノがわずかに先頭に立つが、ブライトライン、アドマイヤサガスも食い下がる。外からはリバーとゴルスキ、ロイヤルも突っ込み、さらに大外からフォーチュンが追い込んで来た。残り200mで先頭争いは大混戦となり、ラスト100でノーザンリバーが前に出るが、ゴール前でゴールスキーが交わして先頭ゴールイン!直線での激戦を制したゴールスキー、差し切り勝ちでフェブラリーステークスの優先出走権を獲得しました!
ダート重賞ウィナーが集結した根岸ステークスは、最後の直線で5頭以上並ぶ大激戦となりましたが、ゴール前抜け出したゴールスキーが勝利。8度目の重賞挑戦で悲願の重賞初制覇を果たしました。道中は中団の後ろで走行し、直線で馬場の外めに持ち出すと、フランシス・ベリー騎手の豪腕に導かれて先頭集団に接近。最後はノーザンリバーをかわしました。これでダート転向後6戦3勝、府中1400mでは2戦2勝です。
鞍上のベリー騎手は今年の重賞2勝目、管理する池江泰寿調教師は今年の重賞3勝目と絶好調。2着のノーザンリバーは8番人気、3着・シルクフォーチュンは5番人気で、3蓮単の⑥-⑨-⑭で158,760円の高配当決着。1番人気だったブライトラインは4着、3番人気アドマイヤロイヤルは5着、2番人気のドリームバレンチノは8着に沈みました。
「フェブラリーS」に向けてのステップレースが終わり、東海ステークスはニホンピロアワーズが快勝、川崎記念はホッコータルマエが貫禄勝ち、この日の根岸ステークスでゴールスキーが勝利しました。本番はこの3頭に加え、最優秀ダートホース・ベルシャザール、ワンダーアキュート、昨年の勝ち馬・グレープブランデー、ブライトライン、ケイアイレオーネなどが出走予定。同じ日(2月23日)に開催される東京マラソンに負けないくらいの熱いレースになりそうだ。
来週・2月9日は、京都競馬場で3歳馬による重賞競走・きさらぎ賞、東京競馬場では伝統のマイル戦・東京新聞杯が行われます。きさらぎ賞には共に2戦無敗のトーセンスターダムとバンドワゴンが激突。スターダムは京都コースで2戦2勝と相性抜群、対するバンドワゴンは新馬戦で6馬身の圧勝、2戦目のエリカ賞も圧巻の逃亡劇で5馬身差をつけて勝利。きさらぎ賞も間違いなく逃げを打ちにいくでしょうなあ。2頭のどちらかが勝てば、クラシックの最有力候補に躍り出る事は間違いありません。
東京新聞杯は、安田記念とヴィクトリアマイルを見据えた馬達が多数登録しています。京都金杯を勝ったエキストラエンド、1年以上勝利から遠ざかっているコディーノ、府中マイルが得意なサトノギャラント、昨年のVMを勝ったヴィルシーナ、ダノンシャーク、ホエールキャプチャ、ショウナンマイティ、エールブリーズなどが出走を予定しております。世間はソチ五輪の方に目を向けると思いますが、競馬の方も見逃さないでください。