橋本 忍 といえば「七人の侍」や「砂の器」の脚本家。
巨匠です。
1918年生まれとあるから・・・94歳!
今回、「山梨文学シネマアワード2013」の受賞者のひとりに選ばれたそうだ。
・・・そんな賞があること自体知らなかったが。
病気で授賞式に出席できなかった氏が、
山梨への思いをつづったエッセイを山日に寄稿した。
これがさすがの名文です。 94歳ですからね! 年は関係ねーな
「武蔵から甲斐への裏道」というタイトルで、
紅葉好きの氏が、毎年11月の中旬頃、娘さん手作りの弁当を持って、
奥多摩から山梨に入り、丹波山村から西へ西へ車を走らせ、
紅葉狩りを楽しむ様子が書かれている。
東北の紅葉は鮮やかで、くっきりと鮮明でとても綺麗なのに比べると、
東京から山梨への裏道で出会う紅葉は、
赤一色に沈滞して黒ずみ、少し重っ苦しい感じがします・・・・・・と描写している。
そういえば友人とふたり、キャンプの帰り道に見た風景そのものだ。
なんとも言えない赤。
山全体が薄い錆のような赤が延々とつづいていた。
ワタシの拙い描写力、文章など・・・・・・クソみたいなもんだなぁ
そもそも橋本 忍と比べちゃダメよ^^
全文掲載したいところだけど、もっとも印象的な箇所を どうぞ。
武蔵から甲斐の国への裏道の紅葉は、
華やかな浮き立つものを追う快適さはなく、
なんだか底のしれない人生の侘しさや、過ぎ去った自分の過去を冷たく凝視させるために、
私を引き寄せる紅葉のような気もします。
その辿って来た道には、辛いことや悲しかったことが数限りなくありました。
しかし、その代わりに、うれしいことや、楽しかったこともたくさんあり、
それらを考え合わせると、苦楽は平均していつでもトイトイなのですね。
だけどいつも深いこの世の深遠さを感じさせる、
赤に黒が染みこむこの奇妙な紅葉に引かれ、
年々歳々ここ十数年見続けてきた間に、なんと辛いことや悲しいことが激減したことか、
そして同時に、うれしかったことや楽しかったことも劇的に壊滅して減少してしまったことか・・・
・・・そして、これらの左右対称の苦楽の両方がなくなった日に
死があり、それは意外に近い。
近頃こういう文章にとみに弱い。泣きそうになる。
そう、ワタシも「意外に近い」のかもしれない^^
前回のブラジルの記事に比べると、落差が激しいなぁ
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幸と不幸。成功と失敗が縄のごとく綯われて徐々に細くなり終いには一本のしっぽとなり終わる。
アッ。それしめ縄だった。