たまたま、うちでgooニュースをみていたら、大分合同新聞社が配信した記事「JR九州の駅無人化、大規模減便 『反対』書名7万超す」(http://www.oita-press.co.jp/1010000000/2018/09/20/130801542)という記事が目に付きました。2018年9月20日15時30分付の記事で、同日の夕刊11面に掲載されているそうです。
1997年4月から2004年3月まで大分市に住んでおり、自家用車通勤をしながらも豊肥本線や日豊本線を利用していた私としては、非常に気になる話ですので、今回取り上げておきます。
このブログに、2017年12月17日0時52分31秒付で「JR九州の減量ダイヤ改正」、同年10月5日23時42分0秒付で「JR九州、いっそうの無人駅化促進 ローカル線の廃止についての議論も開始か」、同年9月2日11時41分29秒付で「大分市内の駅でも無人駅化が進められるか」、2018年2月17日10時59分50秒付で「大分市内7駅の無人駅化は先送りされるが……」を掲載しました。列挙した中では最後の記事でも、2017年9月の段階で大分市内にある牧、高城、鶴崎、大在、坂ノ市(以上、日豊本線)、敷戸、大分大学前、中判田(以上、豊肥本線)の各駅が無人化の対象とされました。2018年3月に牧駅は無人化されましたが、残りの7駅については先送りされています。ただ、敷戸駅(私にとってのかつての最寄り駅)および大分大学前駅ではこの秋に無人化が実施されるようです。
また、日豊本線、豊肥本線および久大本線の運行本数も削減されました。私が住んでいた時でも(私が京浜地区の出身であるからかもしれませんが)運行本数は少ないと感じていました。その頃よりもさらに減ったというのです。
(私が大東文化大学へ移ってからしばらくして、大分市内を走る大分バスの運行系統や本数が削減されました。何度か行った河原内行きのバスがなくなりました。また、大分バス本社前から美し野までの系統も廃止されていたのには驚きました。)
今回取り上げる大分合同新聞社の記事によれば、「だれもが安心して暮らせる大分県をつくる会」などが「JR九州に駅無人化や大規模な減便の見直しを求めるため」に署名を集めているのですが、その署名が7万筆を超えたということです。大分市の人口から考えてもかなり多くの数が集まったと言えるでしょう。
JR九州には、現在でも多くの無人駅があります。全駅の過半数は無人駅であると考えてよいでしょう。大分市内でも、牧駅の他、幸崎駅、滝尾駅、竹中駅、古国府駅、賀来駅、豊後国分駅が無人駅です。また、敷戸駅や大分大学駅などには駅員がいるものの、早朝と夜間は無人駅と同様になります。
駅の無人化が進み、列車の運行本数も減らされるとなると、困るのは誰か。沿線住民(など)の誰もが困る、と言えます。とくに困るのは交通弱者と言われる人たちです。たとえば高校生です。私も高校生時代に電車通学を行っていました。また、身体障害者、高齢者などもそうです。
別に交通弱者に限ったことではなく、誰もが弱者になりうるものです(この点に関する想像力というか思考力というかが貧弱であるというの最近の傾向であるような気がしてなりません)。自動車運転免許証を持ち、自家用車通勤・通学をしている方にはわからないかもしれませんが、自家用車という移動手段がない人にとって、公共交通機関の利用機会が減るというのは大変なことです。また、無人駅では、乗降その他で困った時に、すぐに頼ることができる駅員さんがいない訳ですから、身体障害者、高齢者などにとっては移動の自由が大きく制約されてしまいかねないのです。
私自身、よく田園都市線で車椅子を利用するお客さんを見かけます。各駅で「お客様御案内中です」という業務放送も流れます。その際に手際よく、ホームにスロープを設置したりする駅員さんを見て、これは大変な仕事だ、感謝しなければならない、と感じます。
JR九州は、大分市内の駅について「スマートサポートステーション」という遠隔案内システムの採用を始めました。無人駅ではインターフォンで応対などをするというものです。JR九州以外の鉄道会社でも同じようなシステムが採用されていますが、利便性はどの程度なのでしょうか。たとえば、聴覚障害者にとっては、音声だけのインターフォンで応対されたところで全く無意味でしょう。
この他にも、様々な不安が思い付きます。7万人以上の署名が集まったということは、多くの問題が多くの人の頭に浮かんだということですし、実際に懸念すべき事柄が多いということでもあります。
9月24日には「だれもが安心して暮らせる大分県をつくる会」が主催する抗議集会が大分市のコンパルホールで開かれるとのことです。JR九州がどのような対応を見せるのか、注目したいところです。