ひろば 川崎高津公法研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

ブロムシュテット氏の指揮によるマーラーの交響曲第9番

2019年08月27日 20時57分00秒 | 音楽

 先週、朝日新聞の夕刊で取り上げられており、マーラー(Gustav Mahler)の交響曲第9番ということで、注文してCDを購入しました。

 演奏はバンベルク交響楽団(Bamberger Symphoniker)、指揮はヘルベルト・ブロムシュテット(Herbert Bromstedt)で、Accenbus Musicが2019年に発売したものです。

 大学院生時代から、一体どれほど購入したのかというくらい(たぶん10セットはあるでしょう)、マーラーの交響曲第9番を買いました。最初に六本木WAVEで購入したカラヤン(Herbert von Karajan)指揮のベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(Berliner Philharmoniker)の演奏(何種類かありますが)というフランス盤のCDは、聴き過ぎて盤が傷んでしまい、ドイツ盤を買い直したほどですし、一期一会として知られるバーンスタイン(Leonard Bernstein)指揮の演奏なども買いました。今年はブーレーズ(Pierre Boulez)指揮のシカゴ交響楽団(Chicago Symphony Orchestra)の演奏も購入しています。

 バッハの無伴奏ヴァイオリンソナタとパルティータ、同じくバッハの無伴奏チェロ組曲が典型ですが、同じ曲でも演奏者の解釈によってかなり違います。マーラーの交響曲でも最高傑作、あるいは別格と位置づけられる第9番は、指揮者によって(どうかすれば指揮者が同じであっても時が異なると)かなり解釈が異なる曲です。マーラー自身による初演が行われておらず、改訂も行われていないことが理由の一つのようです。とくに第4楽章を聴くと、違いがよくわかります。Adagio. Sehr langsam und noch zurückhaltendと指示されていますが、演奏によって速さが違いますし、途中でも何箇所かで顕著にわかるところがあります。これまで購入したものには「ここをそんなにあっさり済ませるの?」というものもありました。同じ譜面で同じ楽器構成でも奏者によって印象がかなり違うということは、クラシックではよくあることですが、マーラーの交響曲第9番はとくにその傾向が強いように思われます。

 今回買ったCDは、2018年の6月にKonzerthalle Bambergにおいて行われたライヴ録音で、テンポといい、強弱といい、私にはピタリときた部分が多かったのでした。2枚組で、通して聴くと80分を超えますが、一気に聴いてしまいました。第4楽章はもう少しゆっくりでもよいのではないかと思ったのですが、全体的には満足できるものでした。

 指揮者のブロムシュテット氏といえば、日曜日の21時からNHK教育テレビで放送されている「クラシック音楽館」を御覧の方などにはおなじみでしょう(拙宅では、日曜日の20時から23時過ぎまでNHK教育テレビを見ています)。スウェーデン国籍で、これまでライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団(Gewanthausorchester Leipzig)やシュターツカペレ・ドレスデン(Sächsische Staatskapelle Dresden)などの常任指揮者を歴任し、様々な管弦楽団の桂冠指揮者や名誉指揮者であるとともに、NHK交響楽団の桂冠指揮者でもあります。1927年生まれ、つまり92歳ですが、同番組でわかるように、若々しく、力強く見えるのです。今回のCDについても同じことが言えます。

 ちなみに、今回買ったCDについているブックレット(ドイツ語原文、英語訳文およびフランス語訳文の解説付き)にはバンベルク交響楽団のメンバー全員の名がクレジットされています。私が知る限りですが、クラシック音楽のCDやレコードでもこのような例は非常に少ないものです。私が毎年見ている東急ジルヴェスターコンサートでも、最後に東京フィルハーモニー交響楽団の演奏者全員がロールで紹介されますが、これもあまり例がありません。

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