昨日(2021年7月28日)に掲載した「メダルラッシュどころはない、コロナラッシュのほうが重大だ! 玉砕も間近か?」の冒頭に「予想通りの展開となってきました」と記しました。別に私でなくとも、誰でも簡単に予想できたことです。
私は、別の記事において第4回緊急事態宣言も例の通り小出しとしか言い様がないものである旨を書いています。東京都だけが対象地域になったことも不思議でしたし、期間が8月22日までとされたことにも疑問が湧きました(勿論、或る程度の推測はできました)。実際に緊急事態宣言が実施されたのは7月12日からですが、それから3週間も経たないうちに、神奈川県、千葉県、埼玉県および大阪府も対象になるようです。朝日新聞社が、昨日の21時38分付で「首都圏3県と大阪府に宣言検討 政府、30日にも決定へ」として報じています(https://www.asahi.com/articles/ASP7X71N7P7XUTFK01T.html)。
昨日、9000人超えと報じられましたが、日本全国で9583人の新規感染者が確認されました。今月中の10000人超えもありうるという状況ですし、医療機関の逼迫、さらに言えば医療崩壊も考えておかなければならない状況です。デルタ株という、感染力が強いCOVID-19の変異種が猛威を振るっているようで、しかも世界的にはワクチン接種済みでも感染のリスクが高いとも報じられています。早い話がワクチンもきかないようなものなのです。
何でもかんでもオリンピックのせいであるという訳ではないでしょうが、原因の一つとして数えられることにはなるでしょう。急に設定された先週の4連休(海の日が19日から22日に変更され、23日は「スポーツの日」になりました)が明けてから、感染者が増えました。政府がどの程度の感染者増を想定していたのかわかりませんが、慌てたようです。
新規感染者数の増大も問題ですが、病床使用率の増加も重大です。4月27日において、埼玉県では51%の病床使用率となっています。これはステージ4の領域です。千葉県が46%、神奈川県が42%です。記事には大阪府の病床使用率が書かれていませんが、新規感染者数が2日連続で700人超えとなったことは書かれています。いずれにせよ、かなり危険な状態であると言えないでしょうか。当たり前のことですが、COVID-19の感染が拡大すれば、その他の病気で入院している患者に対する医療態勢にも多大な影響が及びます。
それでも、東京オリンピックは強行されるでしょう。報道サイトを見れば一目瞭然、COVID-19よりもオリンピックが優先されているような状況ですし、今の政府(内閣)および東京都の姿勢からすると、余程のことがなければ(いや、今も余程のことであると思うのですが)中止はしないという方針なのでしょう。具体的な国民の生命・健康は「どうでもいい」という感情が見え隠れします。まさしく第二次世界大戦中の日本です。ポツダム宣言の受諾の際ですら、国民は「どうでもいい」という扱いでした。当時の政府には国体護持しか頭になかったのです。歴史的な観点に立てばむしろ当然のこととも言えますが、国民の生命・健康が蔑ろにされている、とまでは言えないとしても二の次と考えられている点において、戦時中とよく似た状況にあると言えるのではないでしょうか。このままでは、1945年と同じように無残な8月を迎えることは避けられない情勢です。
さらに、このブログでも既に記したように、緊急事態宣言が具体的に何の意味なり効果なりを持つことになるのか、疑念を持たれる方も少なくないでしょう。私もその一人です。仕事のためにデ車に乗ると、人手はそれほど減っていないように感じられます。飲食店への執拗とも言える圧迫が反発を招いているように、少なからぬ国民は不信感を持ち、冷笑的な態度をとるでしょう。だからと言って力尽くで国民に言うことを聞かせるという態度では、余計に国民の不信感が強まるだけです。