よく、smartphone、つまりスマートフォンのことを「スマホ」と言ったり書いたりしますが、正直なところ違和感を覚えます。
まず、略すなら「スマホ」ではなく「スマフォ」と書くべきところでしょう。
次に、皆様はどうであるかわかりませんが、ぼくにとって「スマホ」は少しばかり発音しにくいのです。口全体の動きからして「スマフォ」のほうが発音しやすいと感じています。
これは、まず唇の動きによるところが大きいでしょう。マ行の音を出す際には唇を一旦閉じますし、ファ、フィ、フェ、フォという音を出す際にも唇を一旦閉じます。
対して、ハ行の音を出す際には唇を閉じません。ホを発音する際には唇を開きつつ、唇を少し前に突き出すような形となります。
普段は意識するようなことがないとしても、「発音しにくいな」と思った時に改めて口の動きを意識して発音すると、理由がわかってくるというものです。
ここからは、関係はあるものの違う話です。
何かで読んだのですが、日本には、「ハヒフヘホ」を「ファ・フィ・フ(フゥ?)・フェ・フォ」と発音していた時代があったという話があります。もっと遡ると「パピプペポ」と発音していた時代もあったというのです。「ハヒフヘホ」が現在の発音になったのは江戸時代になってからのことであるとか。
そのためなのか、「ハヒフヘホ」(Ha Hi Hu He Ho)は「バビブベボ」(Ba Bi Bu Be Bo)や「パピプペポ」(Pa Pi Pu Pe Po)と対応していないのです。唇の動きを意識して発音してみれば、意味はおわかりでしょう。
もう一つ、ぼくが日本語の文字である平仮名や片仮名で不便だと思うのが、濁点と半濁点です。
活字の大きさ、印刷の出来具合などによっては、濁点と半濁点の見分けが付かないことがありますね。特に外来語の場合、「バビブベボ」(Ba Bi Bu Be Bo)なのか「パピプペポ」(Pa Pi Pu Pe Po)なのかがわからないこともあります。そのような場合には英語、フランス語、ドイツ語などが併記されているほうがわかりやすいこともあります。例えば、ピーターやペーターという人名にはPeterと併せて示せば、日本語での発音もしやすくなるでしょう。