人口減少で公共交通の先行きに暗雲が垂れ込める中、日本でも自動車の自動運転についての実証実験が行われることが多くなりました。川崎市でも、2025年1月27日または28日に実証実験が始まりました。朝日新聞社が、今日(2025年1月29日)の10時45分付で「路線バスの自動運転 川崎で実証実験開始 東京・大田区結ぶルートも」(https://digital.asahi.com/articles/AST1X4Q1CT1XULOB018M.html)として報じています。
この実証実験ですが、2027年度から、自動運転のうちの上から2番目であるレベル4での営業運転を目指すというものです。もっとも、いきなりレベル4で始める訳ではありません。
まずは川崎市川崎区内のルートで、川崎病院線(川崎駅東口〜市立川崎病院)、レベル0です。国土交通省によると、レベル0は「自動運転を実現するための技術(運転自動化技術)が何もない状態」です。つまり、川崎病院線では自動運転は行われないということです。これが実証実験なのかと疑いたくなりますが、どうやらデータの蓄積が目的であるようです。
次に、川崎市から東京都大田区までのルートで、多摩川スカイブリッジを経由する羽田連絡線(大師橋駅〜天空橋駅)、レベル2です。やはり国土交通省によると、レベル2は「アクセル・ブレーキ操作およびハンドル操作の両方を、部分的かつ持続的に自動化した状態。自動運転ではなく運転支援」です。厳密な比較ではないですが、都営三田線などで採用されているATOと同じようなものでしょうか。
なお、車両は国から全額補助を受けた上で川崎市がおよそ9900万円で購入したものであり、最新型EV車両、しかもバッテリーの性能も高められています。高度な3次元地図情報、センサー技術も搭載され、最高速度は自動運転時で35km/hです。少し遅いような気がしますが、仕方のないところでしょう。運行は川崎鶴見臨港バスが担当するとのことです。
2月までの実験の結果によって、自動運転のレベルを上げていくということでしょう。実証結果が公表されるかどうかはわかりませんが、公表されるべきでしょう。そうでなければ、交通安全への不安が高まるだけですから。