憲法第53条は「内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。」と定めています。しかし、具体的に要求から召集までの期間(期限)が定められていないこともあって、これまで、野党側からの臨時国会(条文では臨時会)の要求が行われたにもかかわらず、内閣が召集を決定しなかったことがありました。そのため、ということでしょう。現在会期中である第210回国会において、衆議院議員提出法律案第1号として「国会法の一部を改正する法律案」が審議中の扱いとなっています。
条文は次のとおりです(但し、一部の漢数字を算用数字に改めています)。
「国会法(昭和22年法律第79号)の一部を次のように改正する。
第3条に次の1項を加える。
前項の規定により要求書が提出されたときは、内閣は、その提出の日から20日以内に臨時会を召集することを、決定しなければならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
一 この項本文の期間内に常会が召集された場合
二 この項本文の期間が前条の規定により臨時会を召集しなければならない期間又は特別会を召集しなければならない期間にかかる場合
三 この項本文の期間が衆議院議員の任期満了による総選挙又は参議院議員の通常選挙を行うべき期間にかかる場合
附 則
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から施行する。
(経過措置)
2 この法律による改正後の国会法(以下「新法」という。)の規定は、この法律の施行後に新法第三条第一項の規定により提出された要求書に係る臨時会の召集について適用する。」
提出理由は「日本国憲法第53条後段の規定に基づく国会議員による臨時会の召集の決定の要求があった場合における内閣の対応の状況に鑑み、臨時会の召集の決定の要求の日から20日以内に臨時会を召集することを内閣が決定しなければならない旨の規定を設ける必要がある。これが、この法律案を提出する理由である」とされています。
内容は妥当でしょう。10日でもよいと思われますが、召集されるべき臨時国会の議題など考慮すれば20日というところでしょう。
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