ひろば 川崎高津公法研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

ブラームスのクラリネット五重奏曲

2013年12月27日 19時38分52秒 | 音楽

 幼い頃からブラームスのハンガリー舞曲集(オーケストラ版)やヴァイオリン協奏曲などを聴いていたし、交響曲全曲、ヴァイオリン・ソナタなども聴いていた(今年の9月、青葉台のフィリアホールで開かれたコンサートでは3曲のソナタ全部が演奏された)。しかし、弦楽四重奏曲、弦楽五重奏曲などを耳にしたことがなく、LPやCDも持っていなかった。この分野の曲が好きであるというのに。

 今年になって、何のきっかけということもなく、たまプラーザテラスの山野楽器で1枚のCDを買った。ヴァイオリン協奏曲とクラリネット五重奏曲のカップリングという、よく意味のわからないものであったが、安かったこともあって購入した。自宅で聴いてみたら、ブラームスらしい渋さにあふれた素晴らしい曲であることを知り、それ以来、折りに触れて聴くようになった。最近、弦楽四重奏曲や弦楽五重奏曲などが収録されたセット物を購入し、何故ブラームスが諦観の作曲家などと言われているのか、よくわかったような気がする。

 クラリネット五重奏曲は、弦楽四重奏にクラリネットという編成による曲が多いようであるが、他のスタイルと比べると数は少ない。モーツァルトのイ長調の曲(K. 581)が圧倒的に有名であるが、その他と言えば、このブラームスのロ短調(作品115)くらいであろうか。

 全体は暗い雰囲気で覆われている。途中、何箇所かで「ここにはクラリネットが入らないほうがよいのではないか」、「弦楽四重奏か弦楽五重奏のほうがよかった」と思える部分がある。クラリネットの音色の性質によるためである(音域によって質が変わる)。それはともあれ、第1楽章から引き込まれる。

 第2楽章はロ長調であるが、雰囲気は変わらない。中間部がロ短調であることが、曲の統一性を高めることに貢献しているのであろう。第3楽章にも同じことが言える。ニ長調なのであるが、交響曲第2番やヴァイオリン協奏曲のような明るさはない。この楽章も、中間ではロ短調とも聞こえるような曲調になる。そして第4楽章である。変奏曲であり、途中でロ長調に転調するが、諦観の空気は変わらない。その中に様々な別の要素が入る。変奏を終え、クラリネットが静かに吹き終えると、弦楽四重奏がBマイナーの和音を強く演奏し、すぐに残響のごとく弱い音で曲を閉じる。

 ここのところ、CDというとクラシックを買うことが多い。拍子などのことを考えると、クラシックほど多彩な分野もないからかもしれない。今年、好んで聴いたのは、ブラームス、ドビュッシー、武満徹、といったところである。


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