カンボジア経済

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東西回廊を走る その2 通関等のソフトインフラの現状

2011年09月28日 | 経済
 タイ~ラオス~ベトナムを結ぶ東西回廊は、第二メコン国際橋(タイ・ラオス:円借款)、国道9号線(ラオス:日本無償)、国道9号線(ベトナム:ADB)、国道1号線(ベトナム:円借款等)、ハイバントンネル(ベトナム:円借款)、ダナン港(ベトナム:円借款)等のハードインフラの整備が完了し、陸上輸送の活用の準備が整ってきています。
 しかし、ハードに加えて、通関の円滑化等のソフトインフラの整備も欠かせません。越境交通協定(CBTA)に基づき、タイ~ラオス~ベトナムは、1台のトラックで一気通貫で輸送することが可能となっています。しかし、様々な運用上の問題もあって、まだ実際の運用は開始されていません。また、タイ・ムクダハン~ラオス・サワンナケート、ラオス・デンサワン~ベトナム・ラオバオの国境では、CBTAに基づき、シングルストップ、シングルウインドウの通関・入出国管理等を行う方向ですが、これもまだ完全実施に至っていません。また、細かい運用上の問題点として、国境事務所の営業時間が朝7時~夕方5時と短い点、土日は書類審査ができない点も解決が必要です。
 今回、ラオス・ベトナム国境を50名のミッションで超えましたが、出入国手続きだけで、ラオス20分、ベトナム50分の合計70分を要しました。手続きの簡素化、迅速化、シングルストップ化がぜひとも必要と実感させられました。
 ベトナム・ダナンに工場を持つ日系メーカーによりますと、ダナン~バンコクの海上輸送は1週間以上かかるのに対し、陸送では現状でも3日しかかからず、日数短縮効果は大きいとしています。また、日系ロジスティクス会社では、東西回廊はまだ黎明期にあるが、アセアン域内の海上輸送の伸びが著しいことを鑑みると東西回廊利用の陸送の需要も今後伸びていくことが期待されるとのことでした。
 今後、通関等の手続きのワンストップ化等の進展により、更に必要時間の短縮が図られ、東西回廊経由の輸送量が増加すれば、輸送コストの低下も期待できるものと思われます。


タイ・ラオス国境に日本の支援で導入されたコンテナスキャナー。コンテナトラックごとX線でチェックすることができる。


ラオス・ベトナム国境に日本の支援で建設されたシングルストップオフィス。将来は、ここだけですべての手続きが完了できるようになる予定。


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