カンボジア経済

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ラタナキリとモンドルキリ 低圧送電線で連結

2020年07月28日 | 経済
 7月17日、カンボジア鉱業エネルギー省は、カンボジア北東部のラタナキリ州とモンドルキリ州を結ぶ低圧送電線が完成し、運用を開始したと発表しました。送電線は、35KVの低圧送電線で、延長約150キロメートルです。ラタナキリ州とモンドルキリ州は、カンボジア北東部でベトナムと国境を接する山岳部にあるため、電化が遅れていました。両州には、日本が支援した小型水力発電所があり、州都はその電力で需要を賄ってきていました。今月、ラタナキリ州の州都バンルンが、全国送電網に高圧送電線(230KV)で接続されました。モンドルキリ州の州都バンルンも今年中に高圧送電線で全国送電網に接続される予定です。ラタナキリ州とモンドルキリ州を繋ぐ送電線が完成したことで、クラチエ~センモノロム(モンドルキリ州)~バンルン(ラタナキリ州)~セサン第2水力発電所~ストゥントゥレン~クラチエが環状に接続されることとなり、電力の融通、電力供給の安定化、電圧等の電力の質の向上等の効果が期待されます。
 カンボジア政府は、地方電化を進めていく方針であり、8月にも中国からの借款で、地方送電線の拡充事業を開始する見込みです。22KVと35KVの低圧送電線を総延長2970キロメートル建設し、14州の133村落を電化する計画です。中国からの借款は、8200万ドルで、8月にフン・セン首相が訪中した際に借款契約が調印される予定です。
 2019年末の統計では、全国送電網と接続している村落数は、1万3131村で、全体の92.7%となっています。世帯ベースでは、357万世帯中268万世帯が電化されており、電化率は74.7%となっています。全国の村落の電化を進めることは、貧困削減や生活基盤整備に欠くことのできない基礎インフラ整備であり、今後もカンボジア政府が地道に整備を進めていくことが期待されます。
(写真は、日本の支援でモンドルキリ州センモノロム郊外に建設されたオモレン水力発電所)



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