カンボジア経済

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シアヌークビルの現状 廃墟と化す不動産 中国系の犯罪蔓延 イメージ回復が急務

2023年10月01日 | 社会・風土
 9月10日、シアヌークビルに出張する機会がありました。
 最近の重大な問題は、中国系犯罪集団によるものと見られる人身取引、強制労働等の犯罪の蔓延です。高給の仕事がある等の甘言に騙されて、台湾、香港、ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア等から、シアヌークビルに連れてこられて監禁され、特殊詐欺等の犯罪行為に無理矢理従事させられるといったケースの摘発が続いています。こうした犯罪集団は、銃器犯罪、ドラッグや売春といった犯罪も引き起こしており、その摘発が急務となっています。この問題は、カンボジアの国際的な評判を著しく傷つけており、徹底的な対策が望まれます。また、今年に入って、特殊詐欺等の犯罪を行っていた日本人グループが拘束され、日本に送還されて逮捕される事例も出ています。
 シアヌークビルと言えば「中国化」の代表例と言われてきました。新型コロナ以前は、中国人の不動産投資に支えられて、カジノやホテル、リゾートマンション等が次々に着工されて活況を示していました。また、多くの中国人が移住・訪問して、町は中国語だらけとなり、シアヌークビルは第二のマカオであるとも言われました。しかし、中国の海外投資規制やカンボジア側のオンラインカジノ規制に加えて、新型コロナの影響も大きく、多くの中国人が引き揚げていきました。今回の視察でも、建設が途中で止まった建物(カジノやホテル、リゾートマンション)を多数確認できました。最近の中国の大手不動産会社の破たんも、中国人の海外不動産投資に更にネガティブな影響を与えるものと見られます。今後、建設工事が止まっている不動産をどうするかも重大な課題となりつつあるものと見られます。
 他方、観光客誘致のための努力は続けられているようです。空港近辺から海岸を通って、オーチュティルビーチまで行くことができる片側3車線の道路が新設されており、途中には展望台も整備されています。昔はアクセスが悪くバックパッカーしかおらず、良い意味で閑散としていたオターズビーチは、海岸道路や浜辺の遊歩道が整備されて、明るいリゾート地となっています。また、以前は何もなかった北部のプレックトレンビーチも、整備が進められています。
(写真は、オターズビーチから望む高層ビル群。未完成のものが多く含まれています)

廃墟化している不動産開発が多数あります。



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