英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

竜王戦第七局⑦

2009-01-31 20:55:59 | 将棋
 え、まだ続いていたの?と思われるかもしれませんが、続きます。

 第17図の絶好の一手▲6六角に渡辺竜王はよろけるように△5九飛成。もともと▲6六角には△5五歩▲同玉△6五歩が予定だったと思われる。しかし、そこで▲4八角と金を取る手があり、△5九飛成と予定変更。
 △5九飛成▲5七桂△5五歩▲同玉△6五歩(第18図)と進む。

 △5九飛成▲5七桂を入れたことによって、第18図で▲4八角がなくなっている。なので角取りを受けつつ角筋を通して▲6五同玉。そこで△7三金と先手玉に圧力をかける。後手玉は危ないようだが詰みはない。このあたり(先の△5九飛成やこの△7三金)は渡辺竜王のしぶとさと言うか強さというべきか。
 詰むや詰まざるやの局面。中継を観ていてドキドキ、羽生ファンの私も後手玉の詰みを必死で探すが詰まない。先手玉も危ないぞ。どうする?
 ▲2二角!…これで詰むの?と思っていると、
「先手玉は詰まないと見て△3二玉に▲1一角成(第19図)とするのでしょう」
という解説。

 実戦もそう進む。ようやく勝ちになった。と思ったところへ△5五歩!(第20図)

 何これ?詰めろ逃れではあるが、詰めろになっているの?…なっていないような
…だいいち、△5五歩以下▲2二歩成△同銀▲同馬△同玉に▲5五角の王手金取りもありそうだ。
 先手勝ちの局面のようだが、なんとも怪しい手。いろいろ勝ち筋が見えるが、どれも読み切るのは大変。

 この△5五歩の周辺は本局最大の分岐点。△5五歩では△7四銀の方がよかったらしいが、渡辺竜王の将棋哲学を如実に表した一手だと思えてならない。
コメント
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