英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

女と男(最新科学が読み解く性)『惹かれあう二人、すれ違う二人』

2009-01-15 19:01:21 | ドキュメント
 NHKスペシャルで、『女と男』というテーマで3回シリーズで取り上げられていました。今回は特に男女の脳の働き方の違いなども解明されてきていて、それについて論じていました。

 まず、恋をするとどうなるのか?
 恋人の顔を見ると、腹側被蓋野が活発に働き、ドーパミンが作られます。ドーパミンは喜びや快感を感じた時に発せられる物質です。さらに、脳はドーパミンが出たときの状況を学習し、次に同じ行動を起こしやすくするように働きかけるそうです。つまり、また相手に会いたくなる。
 ドーパミンが出ると、集中力が高まり、気力に満ちて、疲れを感じなくなる。恋の魔法ですね。
 逆に恋をすると、働きが鈍くなる脳の部位もあるそうです。それは、批判や判断をつかさどる部位です。恋は盲目という状態で、恋人を批判的に見ることができなくなり、相手を受け入れずにはいられなくなるそうです。

 また、恋をしている時に、活発な脳の部位に差があるところもあります。男性の場合、島皮質の一部で視覚に関係しているそうです。
 その理由は「相手が健康な自分の子どもを産んでくれるかどうか」を見極める必要があったからだそうです。で、どこを見るのかというと、「腰のくびれ」だそうです(笑)。細め、標準、ふくよか、の好みの差はありますが、どのタイプでも、ウエストとヒップの比率は、7:10が好まれるそうです。この比率は出産に大きく関係しているそうです。(一般に初潮時期から閉経期までは腰のくびれは大きくなるそうです)

 一方女性が恋をすると、帯状回と呼ばれる部位で、そこは記憶に関係するそうです。
 これは、相手が良い父親になるかは、見た目だけでは分からず、相手が何を約束し、それを果たしてくれたかが大事になるそうです。ああ、だから女性は「○○記念日」を大事にするんですね。

 さて、人間の進化の大きな分岐点は、二足歩行をするようになったことです。
 二足歩行になったことで、手が自由になり、道具を使うようになり、知能も発達しました。
 また、全体重を2本の足で支えるため、骨盤が変化しました。そのため、産道が狭くなり、大きな胎児を産めなくなり、やや未熟の状態で、産まなければならなくなりました。そのため、出産後は母親は子育てから離れられなくなりました。この間、パートナーが母子を守り、食料を確保する(狩猟)ことに特化するようになったそうです。

 この役割分担の蓄積が、恋のシステムが発達し、男女の脳に違いが生じることになったわけです。
 と、ここまでは、恋って素晴らしいなあっ思ったわけですが、この狩猟生活パターンが、「男女の仲は3年」というシステムを作ってしまったのです。未熟状態の子どもも、3歳になればある程度、親離れできます。この期間4年で恋は完了するのではないかという説が有力なのです。そして、新しいパートナーを見つけるようになるそうです。いろいろなタイプのDNAを取り込むほうが子孫を残せるという考え方です。
 この考えは、この番組で知ったわけではないのですが、これを知った時には、納得もしましたし、ショックも受けました。

 番組は、男女の思考や脳の特性を分析し、如何にその男女の違いによるすれ違いをなくせるかを論証しています。

 男女の思考の違いは何でしょう。
 率直に言うと、コミュニケーション能力においては、男性がかなり劣っています。
 口論などが生じてしまうような不都合な状態においては、男性は心拍数がすぐ100を越えてしまいます。女性は、内容や語調が厳しいものになっても70前後で留まっています。「女性は感情的だ」という通説は、心拍数から考えると誤りのようです。
 母乳を与え、子育てをする女性はホルモンの働きによって、気持ちを落ち着かせる能力が高いと考えられていて、一方、狩りが担当の男性は、常に警戒心を働かさなくてはいけないので、すぐに心拍数や血圧を上げて、攻撃態勢に入れるよう適応していったようです。
 しかも、批判を攻撃と捉えてしまうので、口論のあげく、会話を突然中断してしまうそうです。批判(攻撃)を受け、身に迫る危険を感じ、ストレスが限界に達します。理性的な対応ができなくなり、衝突を避けるために、本能的に会話を打ち切るのだそうです。

 さらに分析は進み、男女のすれ違いが生じる原因は2つあると指摘しています。


 一つ目は、男性が女性の気持ちを読み違い、余計なことをしてしまうことです。
 男性は女性に比べ、気持ちや感情を読み取る能力が劣っているという報告があるそうです。
 こういうテストがあるそうです。

写真の女性は「喜び」「悲しみ」「怒り」「恐れ」のどの感情を持っているのか分かりますか?(答は文末です)
 このテストでは、女性のほうが正確に早く答を出すそうです。しかも、女性のほうが使用する脳の部位は小さいそうです。

 このコミュニケーション能力の差は、男女の生活習慣の差によって生じました。
男性が狩りに出ている間、部族の他の女性と行動をともにします。仲間の絆を深める必要があり、相手の気持ちを理解し、自分の気持ちを伝えることが重要になります。
 男性は、狩猟の中で、刻々と変わる状況の中で、狩猟の目的を果たしたり、危険を回避したりする、問題解決型の会話であったわけです。

 この男女それぞれの会話の意味が、男女のすれ違いを生むふたつ目の原因で、最大の原因だそうです。まあこれは、この番組に限らず、前々から言われていることですが。
 女性は会話をしてお互いの理解を深めたい。つまり会話が目的なのです。これに対して、男性は問題解決や分析するための手段に過ぎないのです。
 女性が男性に相談する場合、問題を解決して欲しいとか、良い解決策を教えて欲しいというのが目的ではないのです、多分。
 ところが、男性は分析したり解決策を導き出そうとしてしまいます。女性は自分の気持ちを話したいのです。そして聞いて欲しいのです。多分。結論は二の次なのです。

 ああぅ、思い当たることが数限りなくあります……。

 女性の皆さん、男性はコミュニケーション能力は劣っています。男性も努力はします。でも、分かってください、男性の未熟さを、愚かさを。そして、その大きな愛で、男性を包んで欲しいです。《表情テストの答え……恐れ》
コメント (9)
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