英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

第63期王座戦 第2局 羽生王座、惨敗

2015-09-17 19:56:33 | 将棋
 惨敗だった。
 タイトル戦として、中継や大盤解説等が為されるに値しない拙戦だった。

 ここまでの不出来な将棋は、羽生名人だけでなく、ここ最近のタイトル戦に範疇を拡げても、なかなか無いのではないだろうか?
 とは言え、羽生名人のタイトル戦において、思い当たる将棋がないわけではない。

 まず、今期の名人戦第2局。図はその投了図である。

 しかし、確かに終盤は、為すすべなく行方八段の切れ味鋭い寄せを喫した感が強い。ただ、中盤から終盤の入り口辺りまでは、苦しいながらも、“もしかしたら感”があった。


 同じく今期の名人戦第3局

 △4八歩は、飛頭を叩き、4六金を召し上げようとした狙いの一着である。しかし、叩いた歩は△9五香▲同香と香を犠牲にして得た1歩であった。まあ、これで、無事に金を入手できれば、この強引な動きも報われたのだが、△4八歩に▲2九飛と2五の銀取りと切り返され、香損の代償を得られなくなり、苦戦を強いられた。
 ただ、この後、最善の頑張りで差を拡げられることなく追走したため、逆転勝ち。

 第2局は完敗であるが、惨敗ではない。
 第3局は、強引な動きを強いられた拙い仕掛けであったが、完敗どころか勝利に結びつけてしまった。 

 本日の一局の惨敗度に相当しそうな将棋を挙げるとすれば、同じく名人戦第4局ではないだろうか

 先手の銀は、上がったり下がったりとよく動いたが、成果をほとんど上げられず、局面打開の期待が掛かった馬も身動き取れない状態。
 これは、手も足も出ず、敗北か……
 しかし、行方八段の包囲網の僅かな綻びを食い破り、羽生名人が勝利。


 もう少し遡れば、今日の一局に匹敵する惨敗はあるかもしれない。(対渡辺戦は何局か該当しそうだ)
 また、早指し戦まで範疇を拡げれば、NHK杯の5連覇がかかった決勝の対渡辺戦などは、同等な“ボロ負け”と言える気がする。

 とにかく、羽生名人をここまでの惨敗に追い込んだ佐藤八段。手強い相手だ。
 
コメント
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