英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

恐ろしく強い“縁台将棋”……2016女流王座戦2次予選 清水市代女流六段 × 香川愛生女流三段 「その2」 【補足あり】

2016-08-06 15:03:29 | 将棋
(本記事の2番目の局面図ですが、違う図面をアップしていました)
「剛と豪 2016女流王座戦2次予選 清水市代女流六段 × 香川愛生女流三段」の続きです。


 後手・香川女流三段が△4五銀と攻勢を見せたのに対し、先手・清水女流六段も▲9五歩と穴熊攻略の第1歩を踏み込んだところ。
 香川女流三段の棋風からすると、△9五同歩と応じるとは思えない。△5六銀と中央突破を目指すか、あるいは△1二角と砲火を集中させるかと思われていた。


 △4二角!………飛車が捕まっている!△4五銀と出ることによって銀の利きが3四をカバーしているのだ。
 5筋に気を取られて、飛車の捕獲には全く気付かなかった。

 清水女流、ピンチか?

 しかし、4分の考慮で▲9四飛!………飛車を振り回し、香車にぶつけたのだ。

「飛車、一丁上がりや! どないする?」
「なんの、これでどうや! ほれ喰うてみぃ」

   ……………………… 縁台将棋のおっさんだったら、こんな感じだろう。
 縁台将棋ににしては、恐ろしい強さだが。


麗しいお二人なら、
「あなたの飛車を頂きますわよ」
「そんなに欲しいのなら、差し上げますわ。さあ、召し上がれ」

といったところか。


 さすがに▲9四飛に△同香とは取りにくい(手順に玉頭に先手の歩が伸びるうえ、後手は歩切れ)。
 しかし、飛車を取れないとなると、△4二角が空振り気味。
 △4二角では、やはり△1二角が最善だったようだ。
 前記事で「△1二角が良さそう」というコメントをくださった岡本さん、じゅんいちさん、さすがです。
 特に、じゅんいちさんは実戦の指し手の推察も見事でした。

 「△4二角はやや疑問」という程度。この2手の攻防は、非常に面白く、形勢は「ほぼ互角」、均衡は保たれている。

【補足】
 ▲9四飛は流石の切り返しだが、▲3三桂成と桂を捨てて飛車を生還させる手も有力。「歩3枚」対「桂」の交換だが、後手の歩切れを考慮すると、駒の損得はそれほど差がない。▲3三桂成△同角▲2六飛と後手を引かされるようだが、▲2六飛は△5六銀を受けている。
 後手も9筋の始末をどうするか悩ましい。△9五歩と手を戻すのは▲9四歩の対処が難しい(△9四同香には▲8五角がある)。
コメント (2)
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