英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

人類学者・岬久美子の殺人鑑定8

2019-06-30 17:39:55 | ドラマ・映画
「人類学者・岬久美子の殺人鑑定5 「光る白骨の美女!ピアニスト連続殺人…(以下略)」があまりの出来だったので、つい、“怖いもの見たさ”で観てしまいました。脚本に真部千晶氏が絡んでいるし…(真部氏についての詳しい評は上記の「人類学者・岬久美子の殺人鑑定5」の後半部分に記述)
 出演された深水三章さんは2017年の年の瀬に亡くなっている。登場人物もダウンコートで、冬桜もテーマの一つでこのドラマでは11月ごろに咲く品種という設定だった。



1.希薄な犯行動機
 娘・立花かおり(黒川芽以)が名門学校法人の副理事長とつき合っており、理事長夫人になる可能性もある。そうなれば、自分もおいしい汁が吸えるかもしれないと思っていたところに、消息不明だった理事長の息子・光留(金井勇太)が現れる。
 理事長夫人への障害となると考え、さらに「落ちこぼれの息子がやる気を出していること」に無性に腹が立って、殺害を計画したという。

 娘が1歳の時に、母子共に捨てておきながら、娘の玉の輿のおこぼれにあずかろうというムシの良さ。そのくせ、理事長の息子が立ち直ろうとしていたことは気に入らない。
 理事長の息子がおいしい汁への障害と考えたが、さもしい自分の存在の方が、かおりの結婚の障害になるだろう。それに、副理事長夫人でも十分で、殺人のリスクが大き過ぎ。



2.白骨の身元の特定の手段が不可解
 頭蓋骨のかなりの部分が欠損、歯の治療痕もないので歯形からも特定不可能というのはわかるが、飛び降り自殺未遂の時の骨折痕から特定できるように思うが
 理事長は「息子はアメリカに留学している」と突っぱねたが、渡航歴がないことが判明したので、その嘘から追及できそうだ。

3.なぜ、全部の頭蓋骨を持参しなかったのだろうか?
 岬久美子(大塚寧々)に骨の鑑定を頼もうとしたのなら、頭蓋骨の全部分は必須だと思うが……


4.あまりにも唐突な犯人の指名
 確かに、何回かは登場していたが、裏を感じさせるシーンは全くなし。犯人追及時に後付けで犯人の過去を語ったが、捜査線上に上がらず、≪あいつか?≫という推理シーンもなかったので、「犯人はあなたですね」と指名した時、かなり虚を突かれてしまった。
 絞殺時に光留が抵抗した際に、爪に食い込んだ肉片(指紋だったかも)で(通常、爪は腐敗して残らないが、傷バンに保護された)、犯人特定。犯人には前科があったので鑑識(科捜研?)がデータを照合しただけ。
 

【ストーリー】番組サイトより
 人骨を専門に研究している人類学者・岬久美子(大塚寧々)は、ある夜、「調べてほしい骨がある」という男性からの電話で、とある建設現場に呼び出される。ところが、待ち合わせ場所に赴いたところ、血だらけの男がリュックを抱きかかえるようにして死んでいるのを発見! 現場から慌てて走り去る謎の人影も目撃する。
 久美子の幼なじみでもある捜査一課刑事・二階堂達也(戸次重幸)らの調べで、遺体の身元は清掃会社職員・宮部保昭(深水三章)と判明。なんと彼が抱えていたリュックの中から、人骨が見つかった。久美子に電話をかけてきたのは、宮部だったのか…。そして、犯人はこの骨を奪うために被害者を襲ったものの、久美子がやって来たために目的を果たせずに逃げたのだろうか…。
 宮部が命を懸けて守ったであろう人骨を調べはじめた、久美子。骨は20代後半の男性のものとわかるが、首を絞められたことによる窒息死なのか、はたまた首を吊って自殺したのか、死因を断定することができなかった。また、この骨の人物は10年以上前、肩を複雑骨折し人工骨を移植したことがあるともわかる。
 事件が起きた建設現場は、名門学校法人“青嶋学園”の初等部の建設予定地で、殺された宮部は事件当日、青嶋学園の理事長・青嶋都和子(キムラ緑子)に「“彼”を殺したのはあなたですか」と、謎の言葉をかけていたという。しかも、都和子のひとり息子・光留(金井勇太)が現在行方知れずで、複雑骨折の末に人工骨治療を受けていたことがわかる。都和子を直撃したところ、息子はアメリカで暮らしていると主張するのだが…!? 久美子が鑑定しているのは光留の骨なのか。そしてもし宮部の言葉がそのとおりならば、母親の都和子が息子を殺害したのか…。戸惑う久美子たちに、学園の卒業生で光留と同級生だったという教師・立花かおり(黒川芽以)が声をかけてくるが…!?

脚本:真部千晶 伊藤洋子 
演出:藤岡浩二郎
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