今回で6度目の出走です。
この3年で両親2人を病気で失い、遺品整理をしていて気が付いたことがある。
「家族で撮った写真が無い・・」
母は仕事が忙しくて家族で旅行など行けなかったし、父はそもそも写真嫌いだった。
姉と4人暮らしだったその昔の皆が揃った写真が無いのである。
現在我が家には高3の娘がいる。
彼女は進学志望で、来春確実にこの町を出て行くだろう。
【大好きな四万十ウルトラで家族写真を撮りたい】
これが今回の私の四万十川ウルトラマラソンのテーマとなった。
私はいつもの100kmの部、嫁は60kmの部(初出場)、
3人の子供達が待つゴールを目指して出発です。
それでは、かなり私的な「奮闘記」スタートします。
少し戻って「前日」からです・・
■大会前日■
お昼時を見計らって仕事を抜け出し、レース受付会場の安並体育館に向かう。
補助グラウンドは臨時駐車場。
まだ早いのか車の数も少なめ。
100kmの部は前日受付のみなので、今日だけで約1500人のランナー達がここに来るはず・・。
そう考えるだけで少し気持ちが高揚する。
会場体育館内にはブルーシートが敷かれ、土足で入れる。
受付を済ます。
黄色いジャンバーを着たボランティアの受付嬢は息子のクラスメート女子だった。
(地元なんで知り合いばっかり・・)
カメラクルーに狙われていた方もいた。
後のTV番組に出るランナーかな?
会場隅には地元の中学生達がペイントした石がたくさんテーブルに並んでいる。
お持ち帰りは自由。
みんな上手に描かれていて立派な記念品になっている。
小さな石の方が持ち運びに便利なのか人気だった。
記念に一つ頂く。
「みんなでゴール」のフレーズが心に響いた。
ランナー宛てのファックスがたくさん貼り付けられている。
こんな僻地にやってきたランナー達には、
友人からのFAX応援は勇気100倍だろう。
職場に戻り、袋の中身をチェック。
記念Tシャツ、カップヌードル、カップ麺、バッヂ・・
高額なエントリー代金の割には残念な感じ。
夕方になり、早めに営業終了。
翌日の臨時休業の張り紙を窓に貼る。
窓の外はランナー達を乗せた大型バスが行き交う。
トイレの神様に敬意を表しトイレ掃除をする。
去年のレースでは終盤の嘔吐下痢により、最終関門でリタイアだった。
外に出ると、足元にいたカナブンが仰向けになりもがいていた。
普段は気にもならないが、優しく起こしてやる。
カナブンは「黄金色」に輝いていて、何とも綺麗だった・・。
夜になり夕食を頂く。
我が家恒例の前夜のビタミンB1摂取シリーズ。
今回は豚丼だった。
仕事から帰ってきた嫁が大慌てで作ってくれた。
前夜祭には行かない。
ただでさえ「少ない」と云われる食事は県外のランナー達に食べてほしい。
早めに風呂に入り、準備に取り掛かる。
レーシングチップ装着。ゼッケンを張る。
手の甲に子供達からの応援メッセージを書いてもらう。
レース後半に励まされること間違いない。
少しだけ酒を飲んで眠気を誘い、早めの就寝。
さあ、明日は頑張らねば・・
~つづく~