「何とかお店を早じまいして高知市内にこれないだろうか・・?」
という長男から連絡がきたのは忙しい日曜日の午前中。
どうやら子供達は三連休に合わせて嫁がいる高知市内に集合するらしく、父も夜の食事に呼ばれた。
ところが、嫁に連絡を取ると「何それ?聞いてない」との返事。
とにかく、滅多にない子供達からの誘いに乗っかるようにして、
夕方からの予約を調整し、店を早じまいして車を走らせた(2時間)。
家族が合流して、長女の案内で連れて行かれたのは繁華街の料亭。
「何これ、何のサプライズ?」「お前達、誰か結婚報告でもあるのか?」
疑心暗鬼な親の心をよそにニヤニヤする子供達。
コース料理が運ばれる前にビールが注がれ、長女がかしこまって発声した。
「それでは!銀婚式おめでとう!カンパーイ!」
「え?銀婚式?マジ?知らんかった・・」と父。
「もしかしたら今年がそうかもしれない・・と思ってはいた」と嫁。
この会食は、皆社会人として働いている子供達からのサプライズプレゼントだった。
何年目?何周年目?、本当は来年なのかもしれないが、もうそんなことはどうでもいい。
人生の中でこんな喜びの瞬間が訪れるとは夢にも思っていなかった・・。
(何と子供達、本当は湯布院の温泉一泊旅行を計画していたらしいが皆の都合が合わず断念したらしい)
私自身はまともな親孝行などする間もなく両親を失って後悔しただけに、
子供達からのこの親孝行は、「ありがとう」とだけ言って存分に甘えることにした。
親といっても私達もまだ若い(笑)、場所を替えて宴を続け、深夜まで子供達と一緒に騒いだ。
翌日の行動はもうバラバラ。
私は帰路への途中に高速を降り、先週と同じ山をいつものように登った。
さらに帰宅後も夜の堤防をいつものように5kmのジョギング。
いつもの事をいつものようにすることで、一夜の出来事は夢のようになってしまったが、
もうしばらくの間は少し高いお酒を飲んで余韻に浸ろうと思う・・。