エルソル飛脚ブログ ~Run 4 Fun~

四万十川周辺をチョロチョロしている飛脚の記録です。

桃色珊瑚

2024年09月04日 | 雑記

8月吉日

どうやら娘が彼氏を連れて結婚の挨拶に来るらしい。

ということで、仕事も早めに切り上げて予約された料亭へと向かった。

去年、同棲をするにあたってわざわざ挨拶に来た彼氏君。

その時、男同士でBARをハシゴしたりともう面識は十分である。

それでも筋を通して改めて「ご挨拶」ということらしい。

車のトラブルで10分遅れて現れた娘と彼氏は色んな意味で汗まみれ、

冷たい水を一気に飲み干したのは緊張の表れでもあるのだろう。

コース料理を食べた後、ついにその時が・・、

「今日は大事なお話がありまして・・・」

「僕たち結婚します!」

・・・あれは中学生の頃だっただろうか、

FMラジオから流れてきたさだまさしの「親父の一番長い日」とかいう曲。

「わかった娘はくれてやる!そのかわり一度でいい、奪っていく君を殴らせろ!」

いつか言ってやろうと思っていたそのフレーズ、

「娘さんをください!」じゃないと言えないじゃないか・・・。

「彼氏君!今日は我が家に代々伝わる【四字熟語】を紙にしたためてきたので、それを君に授けようと思う」

表に「寿」とサインペンで書いた茶封筒を手渡す。

緊張の面持ちで封筒から一枚の紙を取り出す彼氏君、

そこに書かれていたのは・・・

【返品不可】

娘「しょーもな(笑)」

立ち上がり深々と頭を下げる父、

「ふつつかものではありますが、末永くよろしくお願いします」

慌てて立ち上がり頭を下げる嫁。

そして娘へ、

「お前にも渡すものがある・・」

親父として、これまで金銭面でも何もしてやれなかった娘へ何か持たせてやろうと用意していた代物、

【桃色珊瑚のアクセサリー】

珊瑚はわざわざ土佐沖で採取されたものにこだわった。

「薄紅の珊瑚は良縁をもたらすという言い伝えがあるという」

「幸せになりなさい」

涙ぐむ娘「さすがお父さんや・・」。

「およげたいやきくん」の歌詞の一部、

「桃色珊瑚が手を振って、ぼくの泳ぎを眺めていたよ」

人生の大海原を泳ぎ出す二人、

モモイロサンゴよ、末永い見守りをヨロシク。

 

 

 

 


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