老化予防というと、もっと何か栄養のあるものを体に足さなきゃと思いがちで「がつんと元気になれるものないの?」と聞かれたりします。
しかし中年以降になると、疲れが回復するのに日数を要するようになり、どっさり食べればもたれて、もっと体が重だるくなる。
若いころに比べて解毒に時間がかかるのです。
足すばかりでは体はこなしきれません。掃除することも大切です。
すっきり排便排尿、汗をかく、よく体を動かしそして快眠、
デトックスをまめに行い、お腹がすいたらよく噛んで食べる。
デトックスをきちんと行っていれば、脳内もスッキリして認知症の予防にもつながります。

老化予防の補腎漢方と言えば、八味地黄丸とか牛車腎気丸、杞菊地黄丸、瀉火補腎丸、八仙丸など「地黄丸類」ですが、実はその基礎になっている処方は六味丸です。六味丸に数種類の生薬をプラスして、体質に応じた地黄丸類が用意されているのです。
六味丸の生薬内容は、『三瀉三補(さんしゃさんほ)』の組み合わになっています。
「掃除しながら、必要なものを補う」という意味です。
《六味丸の内容》
沢瀉:利水滲湿・排尿量を増やし停滞した水を掃除する
茯苓:利水滲湿・胃腸の掃けを促しむくみなどを解消する
牡丹皮:清熱活血・血流を改善しこもった熱を取り去る
地黄:養血補腎
山茱萸:補肝腎
山薬:補脾補腎
漢方処方ってよく考えられていますね。
ちなみに中国では、老化が気になったらまず杞菊地黄丸と言われます。

山茱萸(サンシュユ)の花が咲いていた。
秋に赤い実がなりそれを生薬として用いる
