漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0476

2021-02-17 19:29:58 | 古今和歌集

みずもあらず みもせぬひとの こひしくは あやなくけふや ながめくらさむ

見ずもあらず 見もせぬ人の 恋しくは あやなくけふや ながめくらさむ

 

在原業平

 

 見なかったというわけではなく、見たというわけでもない人が恋しくて、今日はただ、訳も分からず物思いにふける一日を過ごすことにしよう。

 詞書には「・・・車の下簾より、女の顔のほのかに見えければ・・・」とあり、「ほのか(=はっきりとではなく)」に顔が見えただけの女性に恋心を抱いてしまったという状況を、「見なかったわけでも見たわけでもない」「あやなくながめる」と詠んだ歌ですね。詠んだというだけでなく、この歌をその女性につかわしたということですから、これまた「平安のプレイボーイ」業平の面目躍如というところでしょうか。 笑

 



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