やへむぐら しげくのみこそ なりまされ ひとめぞやどの くさきならまし
八重葎 しげくのみこそ なりまされ 人めぞ宿の 草木ならまし
雑草がますます生い茂ってくるばかり。家の草木が枯れるように、人も離(か)れて訪れる人がいなくなったのであろうか。
詞書は 441 と共通(やもめなる人の家)。人も草木も「か(枯/離)」れるといえば、百人一首(第28番)にも採録された 古今集 0315 の歌が思い出されますね。
やまざとは ふゆぞさびしさ まさりける ひとめもくさも かれぬとおもへば
山里は 冬ぞさびしさ まさりける 人目も草も かれぬと思へば
源宗于