漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

連続100個素数が現れない区間はあるか?

2019-01-19 16:21:16 | 数学
 今日、明日はセンター試験ですね。私は共通一次世代(「共通一次」なんて言っても通じない人の方が多いですね、きっと 汗)なので自分自身の大学入試は遠い遠い昔の経験ですが、今も入試の季節になると何やら心がざわつく感覚があります。


 さて今日も素数の話題。

連続100個素数が現れない区間はあるか?

 先日、「素数は無限に存在する」というお話をアップしましたが、今回は逆に「100個続けて素数が出現しない区間はあるか?」という命題です。ちなみに1から100までの自然数の中に、素数は2、3、5、7・・・89、97まで、全部で25個あります。では連続100個、素数が出現しない区間などはあるのでしょうか。結論から言うと100個どころか、1,000個でも10,000個でも1億個でも、ずっと素数が現れない区間は存在します。以下、それを証明します。

 2から101までの100個の自然数をかけ合わせた数を考え、これをQとします。

    Q=2×3×4×5×・・・×99×100×101  A

 ここで、「Q+2」という数を考えると、Aより明らかにQは2の倍数であり、それに2を足した「Q+2」もまた2の倍数なので素数ではありません。では「Q+3」はどうかというと、AよりQは3の倍数であり、それに3を足した「Q+3」もまた3の倍数で、素数ではありません。
 以下同様に、「Q+4」、「Q+5」、・・・「Q+100」、「Q+101]はすべて素数ではありませんから、結局「Q+2」から「Q+101」までの連続100個の自然数はすべて素数ではなく、連続100個素数が現れない区間が存在することが示されました。

 「連続100個」の存在については以上で示されましたが、上記の議論は何も「101」まででやめる必要はなく、この数字はいくらでも大きくすることができます。「1,001」まで考えれば連続1,000個、「1兆1」まで考えれば連続1兆もの間、まったく素数が存在しない区間が存在することがわかります。しかしそれでも、先日記事にした通り素数は無限に存在しますので、連続1兆も素数が存在しない区間のその先には必ず素数が存在することになります。なんだか不思議ですね。




(おまけ) 実際に素数が現れない区間

 以上の議論を知ってから、では実際に素数が長く現れない区間はどこにどれくらいあるのかと思って、エクセルでマクロを組んで探してみました。2~30,000,000(3,000万)までの区間で探したのですが、結果は以下でした。

  20,831,324 ~ 20,831,532 まで連続 209 の区間
  17,051,708 ~ 17,051,886      179
  15,203,978 ~ 15,204,130      153
  11,113,934 ~ 11,114,086      153
  4,652,354 ~  4,652,506      153

 3,000万まで探しても最長209ですから、1,000とか10,000とかの長さの空白区間はもっと遥かに大きい数でしか出現しないのでしょうね。