渡り

ある貴婦人がつぶやいておりました。



『なんですの、最近は渡り、渡りって随分騒いでますこと。

ですけどわたくし、渡りって渡哲也様しか存じませぬことよ。お～ほほ。


第一、「渡り禁止」って言うのでしたら、「天下り」っておっしゃるんでし
たっけ、あの偉そうな人達が御仕事もなさらないで御足をたくさん頂戴する、
あれ。

あれ自体を無くせばよろしいんじゃぁなくって。お～ほほほ。


えっ、法律？いいの？？あらっ、どうしてかしら。




「天下り」って言うぐらいですから、さぞかし名を残されたお偉い方たち
なんでございましょ。


でしたら～、そんなに美味しいお話しがございましても、御自分からご辞退
なさればよろしいんじゃなくって。お～ほほほほ。



まっ、こんな事を申しましても「聞く耳」などお持ちじゃないかしら。


えっ、「だったら言うだけ無駄」ですって？



あ～ら、どうにもならないことでも言ってみないと気が済まないことぐらい
もうお解りでございましょ、お～～ほほほほ。』