goo

苦しくも壮絶な闘いから解放された瞬間

移植者の運命か、B型肝炎患者の運命か、はたまた結石だらけの物持ちの良さか
らか、移植から4年半経った今でも病気の話題には事欠かない。




だからというわけではないが、

現在と移植時の様子の同時進行で始めたこのブログ、のはずが、再手術翌日の朝
で止まっている。





なので、

----------------------------------

・・・2006年 8月 23日

手術後、ICUで目覚めたので、てっきり手術は失敗したのだろうと思っていた。



前々日の手術説明では、

「おそらく、何も無い(無事に手術が成功すること)限り、病棟に戻ります。」

と言われていたから。




ただ、それでも別に落胆するでもなく、不安もなく、とにかく人口呼吸器の苦しさ
だけを感じていた。

一年間の入院で多少の不便さにも慣れ、常に痛み、時に激痛に見舞われてきたもの
だから、どうでもよくなっていたのかもしれない。

きっと、何でもいいから「変化」を期待していたのだと思う。





何度か看護師さんに、

「しっかり呼吸をして下さいね!」

と怒られ(言われ)つつ、やがて朝(と感じる)に。





起き上がる事ができないので、ICU内にどれくらいの患者さんが寝かされて
いるのか、広いのか狭いのか、時間も何もわからない。

一番嫌だったのがいつまでICUに居させられるのかという事。



でも、

自由に話せないのでコミュニケーションも取れない。

医師らしき人も何度か来たので、簡単な説明ぐらいしてくれてもいいのに、担当
外ということか何の声も掛けてくれない。


失敗なら失敗で、何が問題なのかわかればすっきりするものを、まったくどうな
っているのかわからない。

いつわかるのかもわからない。





そんなこんなでボ~っとしていると、頭上から


「起きてた?」と明るい声。


妻だ。

やけに早い。


自分の顔を覗き込むように見るなり、



「全部上手くいったって。手術は成功だよ!」

「ホント?」

「うん。きっと何も分からなくて不安になってるんじゃないかと思って早く伝え
に来た!」





これが、前年8月に始まる、苦しくも壮絶な入院、手術生活から解放されようと
する瞬間でした。
コメント ( 2 ) | Trackback ( )