football smile

the days turn into months and years

J1浦和vs鹿島(埼玉)

2005-03-06 | J1
Jリーグ・ディビジョン1 第1節
2005年3月5日(土)14:00キックオフ
埼玉スタジアム2002
浦和レッズ 0-1 鹿島アントラーズ


JR武蔵野線のホームに出ると、すでにそこにはたくさんの「赤い人達」があふれていました。キックオフまでまだ3時間もあるのに。昨日降った雪がまだところどころに残っているけれど、すっかり晴れた青空と冷たい空気が、日々のくだらない出来事を洗い流してくれるようです。待ちに待ったJリーグ開幕。

結果はみなさんご存知のとおりです。

「怒りが収まらないブッフバルト監督は会見で鹿島の鈴木と岩政を批判。アルパイの退場を呼んだ鈴木は「彼は行為でも言葉でも相手を挑発する」。足を痛めて担架でピッチ外に運ばれながら、すぐにダッシュで戻った岩政には「ただ単に相手を挑発する行為だ」と厳しい。だが、それを含めての戦いがサッカー。終わってみれば初戦黒星という結果だけが残る。年間王者を狙う浦和には痛い黒星となった。」(nikkansports.com 2005/3/5)

はたしてそうでしょうか?

スタジアムで見ていた限りでは、鈴木の挑発行為はよくわかりませんでした。FWとDFの接触ではよくあることだと思います。挑発した鈴木が悪いのか、それに乗って手を出したアルパイが悪いのかは、どちらとも言えない部分があります。アルパイは鈴木の口をふさぐような仕草をしていたので、おそらく鈴木が言葉で挑発したことは間違いないでしょう。でもアルパイには、そんなヤツ相手にせずに、もっと冷静に対処してほしかったと思います。退場処分でチームに迷惑をかけたことは変えようがない事実だからです。では鈴木の行為に問題はなかったのか。こういう結果を狙って挑発していたのだとしたら、それはそれで「どうなのよ」って思ってしまいます。結果のためには手段を選ばずってか。海外のチームでも活躍した日本代表FWがこれなの。こうしてまた代表への興味が薄れていきます。こういう選手を応援する気には到底なれないからです。

そして岩政の行為ですが、これは明らかに周囲を欺くものだったように思います。これには怒ったね。久しぶりに声がかれるくらい怒ったね。そしてすごく気分が悪くなりました。バックスタンドで観戦していた我々には、担架から降りた瞬間に全力で走るその姿がハッキリ見えてしまいました。ハーフタイムに浦和のギド監督もエンゲルス・コーチもすごく怒ってました。あとでビデオを見たら、水沼さんも怒ってました。あれは絶対にやってはいけませんね。

この試合のことしかわかりませんが、鹿島の選手でも深井や内田は、とてもフェアで良いプレーをしていたと思います。平川を押し倒してしまった深井などは、一旦背を向けかけたものの、思い直して手を差し出しました。敵であれ味方であれ、そういうプレーは、強いチームや上手い選手を見るのと同じくらい価値のあるものだと思います。

相手の気持ちを逆撫でして、心理的にも数位的にも優位に立つという戦い方は、それはそれで評価されるのかもしれません。そういう「ずるさ」がなければ世界で戦えない、なんて言う人もいたりします。まあ立派な考え方のひとつだと思います。98年のフランスW杯、アルゼンチン代表のシメオネの挑発に乗ってしまったイングランド代表のベッカムを思い出すまでもなく、南米のブラジルやアルゼンチンと、欧州のイングランドやドイツの選手には、そうした意識の違いが見られることがあります。一概に南米、欧州という区分は少々乱暴すぎるかもしれませんが。浦和のギド監督は、試合前のミーティングで「鈴木の挑発に乗るな」とアルパイに話していたそうです。残念ながらその心配は、最悪の形で現れてしまいました。そして試合後のミーティングで選手全員にフェアプレーについて論したそうです。ちなみに、鹿島のセレーゾ監督はブラジル人、浦和のギド監督はドイツ人です。

全てが終わった今思うことは、「どちにも悪いところはあったのだろう」ということです。でも私はレッズサポーターなので、当然アルパイをかばいたくなります。そして「やっぱり鹿島は大嫌い!」と、声高々に叫びます。でもそれは「横浜が大嫌い!」というのとはちょっと違った意味であることが、非常に気分を悪くされた理由であるのは間違いありません。もしかしたら心の隅っこで「横浜みたいに強くなれよ」と思うことはあるかもしれないけれど、「鹿島みたいに」とは絶対に思わないということです。かっこよく強がってみると、そんな鹿島に負けたくらいじゃあ「年間王者を狙う浦和には痛い黒星」でもなんでもないぜ!って感じです。

でも、もしこのような試合で逆の立場だったとしたら、こんな風に考えることはなかったかもしれないことだけは、正直に書いておきましょう。サポーターというのはそういうものなので。あしからず。でもとにかく、自分が応援するチームには、フェアなプレーをしてほしいと思いますね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする