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J1川崎vs浦和(等々力)

2005-03-12 | J1
Jリーグ・ディビジョン1 第2節
2005年3月12日(土)15:30キックオフ
等々力陸上競技場
川崎フロンターレ 3-3 浦和レッズ


「浮気現場に彼女が登場」という何ともドラマチックな展開が、シーズン早々実現してしまいました。これがホーム埼玉スタジアムならまだ心に余裕を持つことができたのでしょうが、何しろここは昨年までこっそり通い続けたアウェー等々力。通い慣れたスタジアムへの道も、今日は少し違った趣を感じないわけにはいきません。ばれないように隠していたはずの後ろめたさが、小心者にとっては心苦しい限りです。そんなことを考えているのは、超満員2万5千人の中でもおそらく私くらいでしょうけど。試合前の等々力陸上競技場は、どこか不安気ですっきりしない曇が上空を覆っています。

青と赤にきれいに2分されたスタンドの配色は7:3くらい。地元サポーターのおかげでやはり青の方が多かったですね。川崎にとっては実に5年ぶりのホーム開幕戦となれば、当然といえば当然ですが。迷いに迷ったあげく、川崎のゴール裏で観戦することにしました。選手がピッチに出てくると、周囲の川崎サポーターからこんな声が聞こえてきます。「おお、三都主だ!坪井もいるぞ」「日本代表選手を相手に戦うようになったんだねえ」。こういう謙虚な姿勢は、いつまでも忘れてほしくないものです。

まずは「川崎フロンターレ」どうですか?

TVで久しぶりに見た人も多かったのではないでしょうか。ここ2シーズンくらいJ2で目をつけていたチームですが、なかなか良いチームだと思いませんか。ジュニーニョ、マルクスのコンビは絶妙だし、我那覇のゴールはいかにも彼らしいものでした。両サイドの長橋、アウグストが、三都主、平川と互角にわたり合う様を見ると、「おお、がんばっているなあ」と感慨に耽ってしまいます。今シーズンからキャプテンを務める伊藤宏樹は、寺田、箕輪と共にDFラインを統率。以前にも書いたとおりJリーグで一押しのストッパーです。常にエメや達也のポジションに目を配ってスペースを消していました。この日は中盤の底に久野と山根が入ったために多少守備的になっていましたが、本来は中村憲剛というファンタジスタがいて、自陣の深い位置から前線へのスルーパスをガンガン狙っていきます。その他にも相馬、今野、鬼木、黒津、佐原、渡辺匠、新加入のフッキと良い選手がたくさんいます。どこまでやれるか楽しみです。間違っても前回のように1年でJ2降格なんてことはないと思います。

そして「浦和レッズ」です。

まだ本調子とはいかないのは、エメルソンばかりではないようです。チームとして何かちぐはぐな印象を受けます。良い選手と悪い選手がハッキリ別れているようです。そんな中、開幕戦から抜群に良いのが酒井と岡野です。特に酒井は攻守に存在感を出しています。啓太の代役どころではありませんよ。それから途中出場した内館も高いパフォーマンスを見せてくれました。闘莉王、アルパイ、ネネ、坪井という豪華DF陣の控えという立場は今シーズンも変わらないと思いますが、この日の試合のように他の選手のケガや出場停止が重なれば出番は必ずあるはずです。彼のおかげで何点防げたのかを考えたら、まだまだその存在意義は高いのです。長いシーズンの初めにいきなり苦しい状況を抱え込んでしまいましたが、こういう時にバックアップの選手が活躍してくれれば、十分巻き返しが可能であると思います。

常に先手を取って「らしさ」を存分に発揮した川崎に対して、ロスタイムにようやく追いついたものの「らしさ」をほとんど発揮できなかった浦和。それでも終わってみれば3-3のドロー。それが実力の差と言えるのかもしれません。でもどちらのチームにとっても次につながる良い試合であったことは確かです。最悪の開幕戦から1週間。両チームのフェアな戦いが何よりでした。正直言って途中から「もうどっちが勝ってもイイや」と思うくらい想い入れのある両チームの対戦としては、最良の結果であったのかもしれません。

こんなことを言うとバカにされるかもしれませんが、TVでみたチェルシーvsバルセロナの試合より感動してしまいました。多分この気持ちはわからないだろうなあ。
コメント (2)
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