football smile

the days turn into months and years

ふたつの引退

2006-07-16 | football
7月3日にリリースされたメッセージは、その日のうちに2回読みました。そして今日、録画しておいた中田英寿引退特別番組を見ました。彼の視点で語られた全てが正しいとは思わないし、共感できるわけではありませんが、覚悟を決めたその言動には、今さらながらに心を動かされました。プロのサッカー選手としては、やはり突出した特別な存在であったと思います。引退については、いろいろな人がいろいろなことを言っていますが、こればかりは人それぞれ考え方が違うので、「はあ、そうですか」と受け入れるしかないでしょう。周囲がいくらまだまだやれると言ったところで、引退する本人にしかわからない基準が確かに存在するわけですから。才能あふれるヒデは、きっと他の道でも成功するはずです。今までどうもありがとう。これからも頑張ってください。そういう言葉を贈るしかないのです。

そんなヒデの引退を目の当たりにしたW杯特集のNumberを読んでいたら、近藤篤氏の文章に目が止まりました。「オグに見た夢。」と題されたそれは、やはり今年引退した小倉隆史のものでした。私は、名古屋、市原、東京V、札幌、そしてヴァンフォーレ甲府と続けた現役生活の最後の姿を、昨年、三ツ沢で見ています。結局その試合では出番がなく、とうとうシーズン終了後に解雇されてしまいました。トライアウトにまで挑戦したにもかかわらず、彼を必要とするJチームはなく、そのまま引退を余儀なくされました。怪我を負った右膝は、もう限界だったようです。

引き際をしっかり見極めて、最後まで格好良かったヒデ。とにかくできる限り続けて、最後はボロボロになったオグ。どちらも自分の美学を持って、自分の意思を貫き通したその姿に感動します。どちらが優れているということではなくて、どちらを選ぶのか、ということだと思います。さて、あなたはどちらでしょうか?私は、絶対的に100%後者です。

「最後までやっとかな応援してくれる人に失礼やな、っていう部分は強かったね。(中略)トライアウト、もうちょっと若かったら逆に無理やったと思うね。失礼な言い方になるけど、やっぱり格好悪い、みたいな。でもそのときは、そんなんは小さいことに思えて、納得できた。割り切れた、という言い方がいいかもしれんね。で、割り切れたら、格好つけるより、もがくなら最後までもがくのも全然平気、そういうのに慣れてる自分がいた」(Number657「オグに見た夢。」より)
コメント (1)
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