Jリーグ・ディビジョン2 第29節
2006年7月22日(土)19:00キックオフ
三ツ沢球技場
横浜FC 1-1 湘南ベルマーレ
三ツ沢はやはり遠い。いつも決まって横浜駅で迷子になるし、あの坂を上っていくのは結構しんどいし、どうしようかなあと尻込みをしていると夕方になった。でも、迷った時はスタジアムへ行くことにしている。等々力では、浦和と川崎の大一番がある。しかし、うちではBSが見られないのでTV観戦ができない。当日券も出ないらしい。そりゃあそうだろう。というわけで湘南新宿ラインに乗って、久しぶりのJ2観戦に向かう。
横浜FCを見に行こうと思ったもうひとつの理由は、今週号のサッカーマガジンの記事にある。J2クローズアップ・チームリポートの要チェックプレイヤーに、この選手の名前を見つけたからだ。吉野智行。前回三ツ沢に来た時はケガで欠場していたので、横浜で彼のプレーを見るのは初めてである。昨年まで在籍した、そしてシーズン終了後に解雇された古巣、湘南ベルマーレが相手の神奈川ダービーとなれば、これは見逃すことができない。こういう時、選手は一体どういう気持ちで試合に臨むのものなのだろうか?
選手入場。浦和時代の最後につけていた番号と同じ14を背負ってピッチに現れた吉野の左腕には、この日ベンチスタートの城彰二に変わってキャプテンマークが巻かれていた。カズでも山口でもなく、吉野なのである。その姿を見ただけで、もう胸が熱くなってしまう。来てよかったと思う。湘南でも背番号10をつけてキャプテンを勤めていた。チームを統率するリーダーシップは、彼の能力のひとつとして、どこへ行っても通用するものなのだ。
試合は横浜が終始安定した戦いをしていたと思う。守備の意識が高いのがはっきりと見て取れる。今シーズンの快進撃の理由は、どうやらこのあたりにありそうだ。特にストッパーの早川が良い。そして左サイドの小林は果敢に攻め上がりを見せる。横浜の先制点も小林のインターセプトから生まれたものだ。ここでも元浦和の選手達は頑張っているのだ。ベンチには室井も控えている。
残念まがら、ロスタイムに同点とされてしまったが、いやはやすごい試合を見せてもらった。スタジアムもいい感じで盛り上がっていた。やはり、TVで見るW杯よりライブで見るJ2だなあと思ったりもする。横浜の強さは本物だ。あとはこのような試合をいかに勝ち切るかという勝負強さが必要だ。それがあれば、終盤にかけての昇格争いも乗り越えられるような気がする。
後半20分過ぎにベンチへ退いていた吉野は、試合終了のホイッスルが鳴るとアンダーシャツのままベンチから飛び出してきた。土壇場で追いつかれてうなだれる味方選手達の健闘を称え、サポーターの元へ挨拶に向かう。バックスタンド、ゴール裏、サポーターからの声援に丁寧に応える。メインスタンドへの挨拶が終わると、ロッカールームに下がる選手達から離れて、ひとり湘南ベンチへと向かった。チーム関係者と挨拶を交わすと、そのまま今度は湘南サポーターの元へ歩いていった。少し離れた場所で頭を下げると、湘南ゴール裏からは拍手が起こったように見えた。スタジアムで見ることができるのは、何も素晴らしいプレーばかりではない。
サッカーの試合では、敵に対しても敬意を払わなければならない。当然のことなのに、これができない選手は意外と多い。自分でプレーをしているとなおさらに実感できる。それは闘争心ということとは別次元の問題だ。中には、味方まで敵にまわしている問題外の選手もいたりする。私はそういう選手にはなりたくないと常々思っている。だからかもしれない。吉野のプレーに惹かれるのは。
2006年7月22日(土)19:00キックオフ
三ツ沢球技場
横浜FC 1-1 湘南ベルマーレ
三ツ沢はやはり遠い。いつも決まって横浜駅で迷子になるし、あの坂を上っていくのは結構しんどいし、どうしようかなあと尻込みをしていると夕方になった。でも、迷った時はスタジアムへ行くことにしている。等々力では、浦和と川崎の大一番がある。しかし、うちではBSが見られないのでTV観戦ができない。当日券も出ないらしい。そりゃあそうだろう。というわけで湘南新宿ラインに乗って、久しぶりのJ2観戦に向かう。
横浜FCを見に行こうと思ったもうひとつの理由は、今週号のサッカーマガジンの記事にある。J2クローズアップ・チームリポートの要チェックプレイヤーに、この選手の名前を見つけたからだ。吉野智行。前回三ツ沢に来た時はケガで欠場していたので、横浜で彼のプレーを見るのは初めてである。昨年まで在籍した、そしてシーズン終了後に解雇された古巣、湘南ベルマーレが相手の神奈川ダービーとなれば、これは見逃すことができない。こういう時、選手は一体どういう気持ちで試合に臨むのものなのだろうか?
選手入場。浦和時代の最後につけていた番号と同じ14を背負ってピッチに現れた吉野の左腕には、この日ベンチスタートの城彰二に変わってキャプテンマークが巻かれていた。カズでも山口でもなく、吉野なのである。その姿を見ただけで、もう胸が熱くなってしまう。来てよかったと思う。湘南でも背番号10をつけてキャプテンを勤めていた。チームを統率するリーダーシップは、彼の能力のひとつとして、どこへ行っても通用するものなのだ。
試合は横浜が終始安定した戦いをしていたと思う。守備の意識が高いのがはっきりと見て取れる。今シーズンの快進撃の理由は、どうやらこのあたりにありそうだ。特にストッパーの早川が良い。そして左サイドの小林は果敢に攻め上がりを見せる。横浜の先制点も小林のインターセプトから生まれたものだ。ここでも元浦和の選手達は頑張っているのだ。ベンチには室井も控えている。
残念まがら、ロスタイムに同点とされてしまったが、いやはやすごい試合を見せてもらった。スタジアムもいい感じで盛り上がっていた。やはり、TVで見るW杯よりライブで見るJ2だなあと思ったりもする。横浜の強さは本物だ。あとはこのような試合をいかに勝ち切るかという勝負強さが必要だ。それがあれば、終盤にかけての昇格争いも乗り越えられるような気がする。
後半20分過ぎにベンチへ退いていた吉野は、試合終了のホイッスルが鳴るとアンダーシャツのままベンチから飛び出してきた。土壇場で追いつかれてうなだれる味方選手達の健闘を称え、サポーターの元へ挨拶に向かう。バックスタンド、ゴール裏、サポーターからの声援に丁寧に応える。メインスタンドへの挨拶が終わると、ロッカールームに下がる選手達から離れて、ひとり湘南ベンチへと向かった。チーム関係者と挨拶を交わすと、そのまま今度は湘南サポーターの元へ歩いていった。少し離れた場所で頭を下げると、湘南ゴール裏からは拍手が起こったように見えた。スタジアムで見ることができるのは、何も素晴らしいプレーばかりではない。
サッカーの試合では、敵に対しても敬意を払わなければならない。当然のことなのに、これができない選手は意外と多い。自分でプレーをしているとなおさらに実感できる。それは闘争心ということとは別次元の問題だ。中には、味方まで敵にまわしている問題外の選手もいたりする。私はそういう選手にはなりたくないと常々思っている。だからかもしれない。吉野のプレーに惹かれるのは。



