ガラス越しの人生観

隣の部が担当していたタワーマンションの見学会へ行って来た。以前、マンションギャラリーを見学していたので、本物が完成したら是非見てみたいと思っていたのだ。絶対自分では買えない部屋に入るチャンスは、そうそう訪れないだろうから。

共用廊下からしてまず違う。部屋に入るとさらに違う。これがマンションというものだ。自分が今住んでいるのは、マンションなんかじゃない。かろうじて、空調と照明の付いた物置だ。どちらも同じ「人間が住む空間」とは到底思えない。そうか、自分は物置に住んでいたのか。そしておそらく、これから先も物置に住み続けるのだろう。

ゲストルームがすごいということなので見せてもらった。おおっ、ベッドルームからガラス越しのバスルーム！その向こうには、無数のビルがひしめく東京。もはや想像することさえ不可能な情景が、そこに広がっている。そんな情景を一生涯知らずに死んで行く自分は、はたして不幸なのか？幸なのか？人生観さえ狂わされてしまいそうなタワーマンションであった。