長谷部誠
17 MAR 2011
幻冬社
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「だが、いくら自分が正しいと思ってもそれを人に強要してしまったら誤解を招くこともある。人にはそれぞれ価値観があって、絶対的な正解なんてない。何かを伝えるときにはまずは相手の気持ちも想像しなければならない。以来、正論を振りかざしたら、かえってまわりに迷惑をかけてしまうことがあるということを肝に銘じている。」
という本を読みました。私個人的には、まじめな優等生が大嫌いです。良い人ぶってるヤツとか、偉そうに振る舞うヤツとか、自分の正義を押し付けるヤツとか。そんなわけで、学校の先生や会社の上司の話は大抵聞いたふりしてますね。だから多分、ハセとは仲良くなれないんじゃないかと思ったりします(笑)。
今や日本代表のキャプテンを務めるまでに成長したハセですが、浦和レッズでデビューした頃は、とにかくよくレッドカードをもらう選手でした。こりゃあ、使いものになるまで時間がかかるかもしれない。そんな風に思ったものです。ただ、そのプレーの切れ味とセンスは群を抜いていて「いつか絶対日本代表に入るよ」と目をつけていました。
とても印象に残っているプレーがあります。雨の埼玉スタジアムで観た磐田戦。後半ロスタイムも残りわずかで、誰もが引分を覚悟した時でした。中盤でボールを奪うと、ハセはそのままドリブルでゴールへ突進して行きました。周囲の選手は完全に足が止まっていました。勢いあまってゴールラインを割りそうになった瞬間、アウトサイドで冷静にゴールマウスへボールを流し込みました。決してスマートなゴールではありませんでしたが、これぞハセだなあというゴールでした。
そういうガッツ!がハセの魅力だと思います。日本代表だからとか、キャプテンだからとか、あまりかしこまる必要はないんじゃないの。レッドカードをもらってユニフォームを叩き付けた頃の気持ちも忘れてほしくないものです。