football smile

the days turn into months and years

岐阜市民会館

2018-05-06 | design



   

坂倉準三

JAN 1967
RC+S / +4F-1F / 8,265m2
http://gifu-civic.info


築後50年を経過したこの建築は、自分よりひとつ年上という言わば同世代である。人間も建築もガタがくる年頃だ。そういえば、至るところに耐震補強の鉄骨ブレースが目に付くではないか。その痛々しい姿を目にすると、とても他人とは思えない親近感を抱いてしまう。とかく世間は新しいものに目が行きがちである。「けっ!ちやほやされるのも今のうちだぜっ!」交差点の向こうでスマートにたたずむメディアコスモスを尻目に、そんな声も聞こえてきそうである。この哀愁もまた同世代には痛いほどよくわかる。

みんながみんな自分の意思を主張する必要はないし、新しい空間を創出する必要もない。古き良き建築に愛情を濯いで、丁寧に使い続けることにも意味があるのではないか。自分が建築の仕事をする上で大切にしたいのは、そういう思想であり立ち位置である。夏のような岐阜の空の下、哀愁漂う市民会館の前でそんなことを考えた。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« J1 鹿島 vs 浦和(DAZN) | トップ | 岐阜繊維問屋街 »

コメントを投稿

design」カテゴリの最新記事