龍の尾亭<survivalではなくlive>版

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本日の体験授業、お疲れ様でした。

2013年08月01日 19時39分16秒 | 教育
今日、勤務校で中学3年生を対象に体験授業をしました。
時間がなくて要約文の解答例を示せなかったので、こちらに書いておきます。

タイプ1
佐渡市で放鳥されたトキから初のヒナがかえった。日本のトキは乱獲などで03年に一度絶滅し、中国からの個体による人工繁殖で今回に至る。せめてトキをもう一度自然に帰すことが、環境と人を守ることにもなる。

タイプ2
日本のトキは乱獲などで03年に絶滅したが、中国からの個体で人工繁殖に成功し、今回佐渡市で包丁されたトキから初のヒナがかえった。せめてトキをもう一度自然に帰すことが、環境と人を守ることにもなる。

タイプ1は本文の順序通り。そうすると繋ぎが難しい。
タイプ2は事実の順序通り。文章は書きやすいが、本文と順番が変わる。

要約は基本的には本文の論理展開の順序を踏襲(とうしゅう)するべきだが、この場合はタイプ2のほうが自然だろう。

要約は20字1内容が基本。
100字なら4~5つの内容を盛り込むべき。
ここではまず、新聞として

①佐渡市でトキのヒナが初めて誕生。

が最優先。これを外してはダメ。
次に、
②トキをもう一度自然に帰すこと=③環境と人間を守ること

という結論は外せないだろう。
ここは②と③二つの内容が合わさっている。
文章の終わりにある結論は重視しよう。

あとの二つどこを選ぶかが難しいが、、
ここは「初めて」が実は一度絶滅した後再び、という意味だというところをおさえたい。
となれば
④乱獲や乱開発という人間の不自然な営みで03年に日本のトキは一度絶滅。
⑤中国から個体を届けてもらって人工繁殖に成功。

という内容を加えるべきである。

最初の段落は、話題の提示ではあるが、要約としては不要。
無人カメラやテンやカラスのような具体例もカットすべき。

一番迷うのは
「あらゆる生物には、したたかに種をつなぐ知恵が備わる」
あたりだろう。
しかしこれはにもかかわらず人間が不自然な力によってそれを絶滅させてしまった、ということを導くための否定されるべき部分にすぎない。
人間の「不自然な力」という表現も重要なのだが、鍵カッコつきの表現は論理展開の説明としては不適当。
同様の理由で俳句も要約にはいれてはいけない。

あくまで要約は論理展開の筋道をなぞることが大切です。

また機会があったら一緒に勉強しましょう。