L880K、つまり初代コペンのデザインがかわいい。
それが中古のコペンを買おうと思った動機だった。
今までそんなことを考えたことなんて一度もなかった。
基本、可愛いとか、別にって感じ。
ところが、
CX-8が4WD ディーゼルターボで、
用途が長距離高速クルーズ&車中泊&グループキャンプ
ということになると、その用途としてCX-8はほぼ理想的なチョイスには違いない。
だが、サッカー応援を始めてみると、スタジアムの駐車場の幅がとても狭くてツラいのである。
街乗りに軽があれば、と思ったとき、必然的に屋根の開く軽自動車にたどり着いた。
かつて二台持ちでNCロードスターも保持していたが、普通車2台はやはりキツい。
その点中古の軽なら出費もそれほどでもなく、維持費も安いと考えたわけだ。
中古でタマが豊富なのはコペンだろう、とネットを散策するようになったのが半年前。
そんな風に眺めているうちに、コペンのデザインが気に入ってしまった。
パールホワイトや赤、黄などの色がいいな、などと漠然と思っているうちに、昔ダイハツのディーラーにいって、乗っていたヴィッツを下取りに出して旧型コペンの新車を見積もりしてもらったことを思い出した。
そうやってだんだん盛り上がってきてみると、新型現行コペンにも旧型に似た丸目のセロというものがあると知った。
なかなかこれも悪くない。
しかし、改めて見比べるとやはり初代のL880Kコペンが可愛いのである。
そんなこんなしているうちに、どうしても初代コペンが欲しくなっていった。こんなことは今までにはなかったことだ。
クルマが可愛いとか、正直どうでも良い思っていた。
しかし、どうでも良くはなかったのですね。
ただ、中古のタマが多いとはいっても発売完了から最も新しくても12年物、古いと20年物である。
オークションで探してもらっても、100万以下ではなかなかいろいろ我慢しTがり手を加えたりする必要があるものが多かったり、安ければそのまま乗るのは躊躇われるようなやれたものになるという現実にも向き合わされていく。
そんなとき、新しくペイントしてサビの程度も良く、エンジンも調整済みの個体がネットで見つかった。色は黄色だという。
実は、初めてレンタルしてデートドライブ(死語ですが)したのが、二代目FRスターレット1.3Lで(KP61)、これが丸目で明るいイエローだった。
本当に軽やかに走って、運転品すく手に馴染む感じだったのを覚えている。
今調べてみると当時の車重がなんと720kg。排ガス規制への対応が一段落して、軽いボディに1.3Lのエンジンを積んで、キビキビ走るいいクルマになっていたらしい。当時はそんなことなど何も知らなかったが。
当時免許取り立てで彼女とドライブするために初めて借りたレンタカーが、軽快な黄色のスターレットで、最後に遊びで乗ろうとするのが黄色のコペンというのは、ちょっと自分としては「ふむふむ」と腑に落ちるストーリーだったりする。
結局、そういう動きが、そういう軽さが身に馴染むものだったということだろうか。
結局可愛い、というのは理屈抜きだ。
道が悪いとクルマが二つに分かれるのではないか、というほどガタピシいうのだが、それでも楽しいのだから我ながらあきれたものである。
それでもお高いクルマをなでさすっているのと比べれば、より少なく悪いとは言えるかもしれない。マニュアル車が運転できる程度のリタイア組には、最適の一台、といっていいかも?
BenzのA-CLASSやC-CLASSも乗ったけれど、間に「執事」がいるみたいで「かっとび」感に乏しい。SUBARUのFFベースのレガシー4WDも乗ったが、ロングツーリングにはいいけれど、これも5台目で大きくなりすぎて、キビキビ走る感じではなかった。
ロードスターもNC2.0リッターとちょっと大きめだったし。
結論として、コペンはキュートで軽くて唯一無二でした。
HONDAのS660とかは本気すぎて免許が何枚あっても間に合わなそうだし(苦笑)。
HONDAビートやスズキのカプチーノはタマがちょっと古くて、そこまで頑張れるか自信がないし。
軽オープンスポーツのCOPEN、お勧めです。
もちろん、以前乗っていたロードスターは、ブレーキ、アクセル、ハンドルを流れるように扱いながらカーブを走り抜ける楽しみがあったといえばあった。
ただ、乗っていたのがNCのRHT VSのオートマだから、コンフォートな2.0リッターという感じもあって、本当にライトウェイトというよりは「本格的」なオープンクルーズカーといった感触だった。
それが、今回コペンのMTに乗ってカーブのある道を右に左にと走ってみると、以前NCオーナーだったときには、これでも十分ライトウェイトじゃね?
と思っていたのだが、気持ちが次第にああ、NAやNB乗りの人たちが
「NCはロードスターとはいえない面があるよ」
といっていたことの意味が分かってきたような気がする。
軽いって凄い。そう思った。
スポーツ性って、やっぱり軽いことなんだよね。
重量は830kg。
これでターボ付きのMTだから、基本的には本当に軽くカーブが曲がれる。
運転が別に上手じゃない自分でも、カーブが楽しいのだ。
でも、軽だから、道路の幅を一杯につかえる。
基本は前輪のグリップを頼りにしつつ駆動&ハンドル角をそれに乗っけて回頭していくわけだが、これが自分にとってはかなりノスタルジックでもあり、びっくりするほど洗練されている(20年前のクルマなのに<笑>。40年前のノンパワステFF初代ファミリアとの比較ですけど)。
旋回の絶対的スピードが早いわけじゃないのだろうと思うが、体感としては、本当にスムーズに曲がれるのである。今まで乗ってきたどんなクルマよりも気持ちよく「簡単に」曲がれるのだ。
当然、ハンドルを切り遅れれて後から急に切れば、膨らんだ上に後輪が外に振れる。それはただ下手なだけだろう(苦笑)。
ぶるぶるガタガタしながら段差も収まらないオンボロ感触満載なのだが、それなのに今まで乗ったどんなクルマよりも気持ちよく、楽しい。
FRが運転の基本だし、それで走ることを学ぶのが当然なのだろうけど、このままで、曲がっていくのが楽しいのです!
もちろんFFは前輪のグリップが全てみたいなところがあるから、無茶する人はどうぞ腕次第で。
私はのんびりと、気持ちよくワインディングが走れればそれで至福。
低速でもスポーツ。
分かっていたつもりだけれど、コペンはさらに200kgも軽いとなると、ロードスター(NC)とは違った「軽さ」に目覚めてしまった、というお話でした。